進化は変わらない

2021年でオープンから16年目を迎えるカンテサンス。岸田周三氏は料理に対するストイックな姿勢を貫きながら、レストランシーンのトップを走り続けてきた。コロナ禍に際しても、また業界で「サステナブル」の思想が新潮流を作り出しても姿勢はブレない。「これからも変わらない」と言いきる岸田氏からは、揺るぎない自信が感じられる。

Photo Masahiro Goda  Text Izumi Shibata

2021年でオープンから16年目を迎えるカンテサンス。岸田周三氏は料理に対するストイックな姿勢を貫きながら、レストランシーンのトップを走り続けてきた。コロナ禍に際しても、また業界で「サステナブル」の思想が新潮流を作り出しても姿勢はブレない。「これからも変わらない」と言いきる岸田氏からは、揺るぎない自信が感じられる。

カンテサンスのチーズケーキ「ガトー オー コンテ」
2020年12月より通販にて販売を始めたカンテサンスのチーズケーキ「ガトー オー コンテ」。下からタルト状、レアチーズケーキ状、ベイクドチーズケーキ状の生地が重なる仕立てで、段階的な変化を楽しむことができる。ベイクドチーズケーキの層では、36カ月熟成のコンテを贅沢に用いる。その風味は格別だ。

プラスアルファで始めた菓子の販売

料理は、プロデュイ(素材)、キュイソン(火入れ)、アセゾネ(味付け)を追求するという明快なコンセプト。提供するのは、おまかせコース一本。これは16年前の「カンテサンス」のオープン時に、岸田周三氏が考え抜いて生み出したスタイルだ。
コロナ禍でも、このスタイルは揺らぐことがない。ちなみに店の予約状況も、コロナ以前と変わりないという(現在は約3カ月先まで満席)。

ただし、プラスアルファで始めたことがある。それは菓子の販売。昨年の非常事態宣言時に生まれた時間を利用して、チーズケーキ「ガトーオーコンテ」と、アルマニャックのケーキ「ガトーアルマニャッケ」の開発に取り組んだ。これらの菓子は多くの客から好評を得たため、現在も継続して販売中だ。

「今までも菓子の販売のリクエストはいただいていましたが、腰を据えて取りかかる余裕がなくて。ようやく自信を持ってカンテサンスの名で送り出せる品ができたと思っています」

ガトーオーコンテは、現在大人気のチーズケーキ市場の中のトップを実現しているはず、という自信作。ガトーアルマニャッケは、今までにない「焼き菓子と生菓子の間」を追求したケーキ。コロナ禍をプラスに変えた挑戦だ。

料理に関しては、今まで通り。流行は追わず、しかし常連客が多いので飽きられないように、と意識しながら、常に新作を作り続ける。
一方で、季節ごとの人気の料理は毎年定番として提供するなど、客のリクエストにも応えている。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。