記憶に残る昭和の味、平成の味

料理人たちにとって記憶に残る「昭和の味、平成の味」とは? 今回は、三科惇さん、厲愛茵さん、山田チカラさん、フィリップ・ミルさん、杉本壽さんに伺った。

Photo Haruko Amagata. Masahiro Goda  Text Rie Nakajima. Izumi Shibata. Junko Chiba

料理人たちにとって記憶に残る「昭和の味、平成の味」とは? 今回は、三科惇さん、厲愛茵さん、山田チカラさん、フィリップ・ミルさん、杉本壽さんに伺った。

山田チカラ 山田チカラ

山田チカラ 山田チカラ氏

昭和時代を過ごした静岡では、おでんがおやつでした。駄菓子屋の店先で売っていて、牛スジや卵、ジャガイモが1本50円くらい。昔、東京でもんじゃが子供のおやつでしたが、同じような感覚で静岡ではおでんでした。学校の帰り道に、友だちと一緒に駄菓子屋に寄っては食べていました。父親は蕎麦が好きだったので、外食といえばざる蕎麦を食べに行く程度でした。そのせいか、今でも蕎麦はよく食べます。
平成に料理人になってから食べて衝撃を受けたのは、フォアグラです。働いていたレストランで、味見としてフォアグラのテリーヌの端っこを初めて食べて、ものすごくおいしくてびっくりしたことを覚えています。それ以来、フォアグラのとりこになって、積極的に味見をさせてもらっていました。
最近では、海外に行った時に外食する機会が多くて、その国々のおいしいものを食べています。特にニューヨークはすばらしくて、店づくりも料理もサービスも面白いですね。中でも勢いを感じるのは、新しいスタイルの韓国料理。今、そうしたヌーベルコリアンというようなスタイルがニューヨークでは、ものすごいブームなんですよ。日本の若者も、海外でいろいろな “和食”の要素を取り入れた “ヌーベルジャパニーズ”をやったらはやりそうだな、なんて思っています。東京でも興味があるお店には、ジャンルを問わず食べに行って勉強しています。

●山田チカラ 山田チカラ

山田チカラさんの想う「令和の味」
驚きの原点

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。