「グラニテ・ショコラ」は、2016年のプレスキル・ショコラトリーのオープン時から提供されているメニュー。シェフ・ショコラティエの小抜知博さんは「夏場でもチョコレートを楽しんでいただける品を、と考案しました。チョコレート好きの方々に好評をいただいています」と話す。
そんな「グラニテ・ショコラ」は、チョコレート専門店だからこそ可能な、ほどよい濃さを備えた一品。チョコレートを溶かし込んだ氷で作るため、食べ終えるまでその風味が衰えない。また、口の中でやさしく溶けるグラニテの舌触りは、繊細さとなめらかさが圧倒的。冷たい品でありながら、香りがふくよかに立ちのぼり、心地よい余韻もある。
「グラニテ・ショコラ」の要である「チョコレートを溶かし込んだ氷」を作るには技術が必要だ。「材料はチョコレートと天然水です。チョコレートの油脂分を水としっかりと乳化させます。こうして作ることで氷とチョコレートが一体化し、シルキーな食感が生まれるのです」
水分が油脂をしっかりと抱き込んでいるからこそ、余韻も生まれる。
「あと、当店ではカカオ豆を焙煎するところから店で行っています。そのため、カカオの香りが鮮やかに表現できるのです」
それゆえグラニテにした時、たとえ氷で冷えた口の中でも香りがしっかりと感じられる仕上がりとなる。
このチョコレートのグラニテに、豊かな風味を持つソースを合わせて一品が完成する。
今回紹介する“ライチローズ”のソースは、フローラルな香りがチョコレートに華を添える印象だ。「商品名は“ライチローズ”ですが、実際にはフランボワーズと桃も使っています」。細やかな感性で作り出されるソースは、グラニテと釣り合う奥深さを備える。