11月の第3木曜日を約1カ月後に控えた10月19日、2022年のボジョレー・ヌーボー第1便が羽田空港に到着したとのニュースが流れた。ボジョレー・ヌーボーの解禁を心待ちにしている人は、一時に比べたら減ったのかもしれない。しかし、今年収穫されたばかりの新酒で乾杯する楽しさは、やはり格別だ。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日が11月の第3木曜日に設定されたのは1985年と聞くと、意外と最近のことと驚く人もいるかもしれない。そもそもボジョレー地区の生産者の間や、ボジョレーにほど近いリヨン周辺でささやかに楽しまれていたであろうヌーボーの解禁日を、フランスの法律で正式に定めたのは51 年のこと。
それまでは、軍隊用のワイン供給を計画的に行うため、ワインの販売スケジュールは厳格に管理されていたが、同年春にこれが廃止となり、全てのワインの販売日は12月15日と決定された。しかし、ボジョレーの生産者から新酒を早く売りたいという声が上がり、67年に11月15日に変更される。
これ以降、若いジャーナリストたちの尽力によって、ボジョレーはパリのビストロでも愛飲され始め、やがてヨーロッパ各地、さらに世界各地へと人気を広げていく。85年に解禁日が現在の11月第3木曜日に改められるが、これは11月15 日を解禁日とすると、当日が日曜に当たった場合、運送その他の不都合が生じるケースを避けるためだったという。
ボジョレー・ヌーボー解禁!
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