スペインのグラン・ヴァン初上陸

自然に敬意を払い、芸術の域にまで高めたいと愛情を持って造られたヴァルドゥエロのワイン。厳しい環境を受け止め、手間と時間を存分にかけた至極の味わいが、今冬から日本でも楽しめる。創業家の熱い思いを知り、その極みを堪能したい。

Photo Satoru Sek(i P49) Text Hiroko Komatsu

自然に敬意を払い、芸術の域にまで高めたいと愛情を持って造られたヴァルドゥエロのワイン。厳しい環境を受け止め、手間と時間を存分にかけた至極の味わいが、今冬から日本でも楽しめる。創業家の熱い思いを知り、その極みを堪能したい。

カロリーナ・ガルシア・ヴィアデーロさん
創設者を代表して来日したカロリーナ・ガルシア・ヴィアデーロさん。6年間熟成させた一本には、「シャネルの6番と名付けているの。スワリングすればその理由が分かります」と茶目っ気たっぷりなトークで楽しませてくれた。

曽祖父の土地を譲り受けてワインを造り始めたとき、彼らはぶどう栽培の標高の限界とされる約1000mの地を畑に選んだ。なぜなら、極限状態で生き抜くことで、酸のしっかりした骨格のあるぶどうができるからだという。農薬や殺虫剤の不使用はもちろん、灌漑すらせず自然のままにぶどうを育てている。「自然が与えてくれる以上は求めないというのが私たちのポリシーです」と、カロリーナさんは言う。

すべてのワインがレセルヴァだが、グレードによって1本の木に6房から1房だけを残して摘果し、ぶどうの力を凝縮させる。手間暇かけて育てられたぶどうは手摘みされ天然酵母で発酵。そこから熟成の段階に入るわけだが、その工程はヴァルドゥエロがワインの芸術と言われるゆえんだ。複数種の樽を使ってワインにさまざまな経験をさせるのだ。その中でワインは成長し最高の熟成へとたどり着く。さらに瓶内で3~12年ねかせ、まろやかさを増す。

「若いワインは活力だけでなく角もあります。それを樽に入れて、酸素と接触させることで少しずつ丸くさせていきます。その後、瓶に詰めて酸素との接触を断ち、数年間ねかせます。完全な密封状態の中で長時間一緒にいることで、それぞれの分子は友だちになり、調和のとれた状態になります。こうして初めて至高の味わいが生まれるのです」

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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