優美なる変革者

高級車のように、しなやかに強く、優美に時代を駆け抜ける「シャンパン カーボン」。F1公式シャンパーニュとしての知名度もさることながら、「並外れた凝縮感のタンゴ」と評される妥協なき味わいと、職人が21の工程を経て製造するカーボンファイバー製のボトルによって、世界に類を見ない孤高の存在感を放っている。

Text Rie Nakajima

高級車のように、しなやかに強く、優美に時代を駆け抜ける「シャンパン カーボン」。F1公式シャンパーニュとしての知名度もさることながら、「並外れた凝縮感のタンゴ」と評される妥協なき味わいと、職人が21の工程を経て製造するカーボンファイバー製のボトルによって、世界に類を見ない孤高の存在感を放っている。

21億円の超高級車を販売するなど他社とは一線を画したラグジュアリー自動車メーカー、ブガッティとのコラボレーション写真。
21億円の超高級車を販売するなど他社とは一線を画したラグジュアリー自動車メーカー、ブガッティとのコラボレーション写真。

名だたるシャンパーニュの大手メゾンの中で、「世界で最もプライスレスなシャンパーニュ」と豪語するシャンパン カーボン。確かにそれは、見た目からして、他を寄せつけない、卓越した存在感を放っている。シャンパン カーボンは、フランスはシャンパーニュのヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区シャンピオン村にて、5代にわたり100年以上、高品質なワイン造りを続けてきた家族経営の造り手、シャンパン ドゥヴァヴリーから生まれたシャンパーニュブランドだ。CEOであり、モータースポーツ愛好家でもあるアレクサンドル・メア氏が、これまで誰も手がけていない「特異まれな優美さを持った」、「挑戦者や変革者のように日常を抜け出したシャンパーニュ」を目指して生み出した最高級のブランドである。

航空工学にもたけていたメア氏は、職人が21の工程を経て1週間かけて製造するカーボンファイバー製のボトルを4年ががりで完成させた。そして肝心の中身は、至高の品質にこだわるためにテロワールを限定し、シャンパーニュの主要産地の一つであるコート・デ・ブラン地区のグランクリュ、アヴィズ村、シュイィ村、オジェ村から最高級のシャルドネを、フランス最北のワイン産地、モンターニュ・ド・ランス地区のグランクリュ、アイ村から最高級のピノ・ノワールを、マルヌ川の渓谷沿いに広がるヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のプルミエクリュからピノ・ムニエを厳選。リザーブワインを40%程度用いることで、完璧にバランスの取れたアロマを持つエレガントで高貴な味わいを実現している。なかでも「シャンパン カーボン ブリュット」は、世界最優秀ソムリエの一人として知られるジャン・リュック・プトー氏により「並外れた凝縮感のタンゴである」と絶賛された一本。淡いゴールドの色調、長い年月をかけたブーケ、白桃、ブランデーと砂糖で煮た洋梨、新鮮なバター、白い花、スパイスなどの香りが複雑に折り重なった、造り手の想いがまさに芸術の域まで発揮された味わいだ。

発売以降、ロンドンのファッションショーやアムステルダムのオートクチュールショー、エクストリームセーリング(ヨットレース)などラグジュアリーなシーンで注目されるようになり、2017年6月のモナコグランプリからフォーミュラワンの公式シャンパーニュとなったことで世界的にその存在を知らしめたシャンパン カーボン。

超高級車のブガッティの世界限定ボトルを発売するほか、ポルシェやメルセデスともコラボレーションを果たすなど、クルマ好きにはとっては目が離せない存在でもある。オファーが絶えないのは、決して妥協せず、自らのこだわりと技術を追い求める挑戦者であり、革新者であり続けるメゾンの精神が、高級車メーカーのそれと共通しているためでもあるだろう。

特別な記念日はもちろん、自らのモチベーションを鼓舞し、高めたいときに。挑戦することを忘れないリーダーにこそふさわしい、唯一無二のシャンパーニュだ。

●マーカムインターナショナル TEL03-6231-1370 

※『Nile’s NILE』2021年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。