名だたるシャンパーニュの大手メゾンの中で、「世界で最もプライスレスなシャンパーニュ」と豪語するシャンパン カーボン。確かにそれは、見た目からして、他を寄せつけない、卓越した存在感を放っている。シャンパン カーボンは、フランスはシャンパーニュのヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区シャンピオン村にて、5代にわたり100年以上、高品質なワイン造りを続けてきた家族経営の造り手、シャンパン ドゥヴァヴリーから生まれたシャンパーニュブランドだ。CEOであり、モータースポーツ愛好家でもあるアレクサンドル・メア氏が、これまで誰も手がけていない「特異まれな優美さを持った」、「挑戦者や変革者のように日常を抜け出したシャンパーニュ」を目指して生み出した最高級のブランドである。
航空工学にもたけていたメア氏は、職人が21の工程を経て1週間かけて製造するカーボンファイバー製のボトルを4年ががりで完成させた。そして肝心の中身は、至高の品質にこだわるためにテロワールを限定し、シャンパーニュの主要産地の一つであるコート・デ・ブラン地区のグランクリュ、アヴィズ村、シュイィ村、オジェ村から最高級のシャルドネを、フランス最北のワイン産地、モンターニュ・ド・ランス地区のグランクリュ、アイ村から最高級のピノ・ノワールを、マルヌ川の渓谷沿いに広がるヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のプルミエクリュからピノ・ムニエを厳選。リザーブワインを40%程度用いることで、完璧にバランスの取れたアロマを持つエレガントで高貴な味わいを実現している。なかでも「シャンパン カーボン ブリュット」は、世界最優秀ソムリエの一人として知られるジャン・リュック・プトー氏により「並外れた凝縮感のタンゴである」と絶賛された一本。淡いゴールドの色調、長い年月をかけたブーケ、白桃、ブランデーと砂糖で煮た洋梨、新鮮なバター、白い花、スパイスなどの香りが複雑に折り重なった、造り手の想いがまさに芸術の域まで発揮された味わいだ。
発売以降、ロンドンのファッションショーやアムステルダムのオートクチュールショー、エクストリームセーリング(ヨットレース)などラグジュアリーなシーンで注目されるようになり、2017年6月のモナコグランプリからフォーミュラワンの公式シャンパーニュとなったことで世界的にその存在を知らしめたシャンパン カーボン。
超高級車のブガッティの世界限定ボトルを発売するほか、ポルシェやメルセデスともコラボレーションを果たすなど、クルマ好きにはとっては目が離せない存在でもある。オファーが絶えないのは、決して妥協せず、自らのこだわりと技術を追い求める挑戦者であり、革新者であり続けるメゾンの精神が、高級車メーカーのそれと共通しているためでもあるだろう。
特別な記念日はもちろん、自らのモチベーションを鼓舞し、高めたいときに。挑戦することを忘れないリーダーにこそふさわしい、唯一無二のシャンパーニュだ。
●マーカムインターナショナル TEL03-6231-1370
※『Nile’s NILE』2021年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています