Japanese Spices

幸福には、ちょっとした香辛料

幸福には、ちょっとした香辛料

やげん堀 七味唐辛子本舗 創業395年

やげん堀 七味唐辛子本舗 創業395年

1625年に薬種商として開業したやげん堀。「山徳」の称号は、漢方の知識を用いて「七味唐辛子」を考案し、徳川家光に献上したところ喜ばれ、「徳」の字を賜ったことが由来となっている。創業以来、香りと辛さを引き出すための独自の製法を今も受け継ぎ、直火による窯で火入れした2種類の唐辛子をブレンド(焼唐辛子・赤唐辛子)。七味唐辛子には、黒ま、焼唐辛子、陳皮、山椒、けしの実、麻の実(おのみ)、唐辛子が使用されている。

●七味唐辛子 中辛(27g) 540円(やげん堀七味唐辛子本舗 本社問い合わせTEL03-3626-7716)

七味家本舗 創業約365年

七味家本舗 創業約365年

江戸時代初期、清水寺の門前に河内家と号した茶屋として創業。そこで提供していた、白湯に唐辛子の粉をふりかけたからし湯が評判を呼び、同店の唐辛子が名物として京に広まった。代々の当主が一子相伝により製法を受け継ぐ名物の「七味唐辛子」は、唐辛子、山椒、白ごま、黒ごま、青じそ、青海苔、麻の実を絶妙な配分で調合。添加物は一切使用せず、主な原料となる唐辛子と山椒は自主栽培するなど、原料にこだわって作られている。

●七味小袋(15g)486円(七味家本舗 TEL0120-540-738)

原了郭 創業317年
原了郭 創業317年

当時の漢方医に処方を学び御香煎を製造、1703年に創業した原了郭。歴代当主が一子相伝でその秘法を受け継ぎ、明治・大正期には、
宮内省御用品に。御香煎と同様に、一子相伝の製法を守ってきた「黒七味」は、原料に白ごま、唐辛子、山椒、青海苔、けしの実、黒ごま、麻の実を使用。これらをから煎りし、唐辛子や山椒の色が隠れるまで丁寧にもみ込むことで独特の色味となる。しっとりとした風合いに鼻に抜けるような豊かな香りが楽しめる。

●黒七味 四角(5g)1,100円(原了郭 TEL075-561-2732)
根元 八幡屋礒五郎 創業284年

根元 八幡屋礒五郎 創業284年

1736年に善光寺の境内で七味唐辛子を売り出したことから始まった根元 八幡屋礒五郎。原料の一部を自社農場で栽培するなど伝統を
守りつつ、スイーツやコスメ商品を展開したりと、新たな取り組みにも挑み続けている。創業以来、愛され続けている「七味唐からし」は、厳選した唐辛子をはじめ、白薑(生姜)、しそ、山椒、陳皮、ごま、麻種(オタネ)を使用している。秘伝の調合法により、香りの中に辛さが引き立つ豊かな味わいが特徴だ。

●七味 缶 (14g)400円(根元 八幡屋礒五郎 TEL0120-156-170)

田邊屋 創業190年

田邊屋 創業190年

1830年に京都錦市場に出店した「山内商店」を起源に、乾物や鶏卵を扱う店として料理人や仕出し屋からも支持されている田邊屋。名物の風味豊かなかつお節を始め、全国から集めたえりすぐりの上質な食材を使用した商品を展開している。京都の有名料理店でも使われている粉山椒は和歌山県の有田川産のぶどう山椒を使用。ぶどうの房のように実り、大きく肉厚でさわやかな香りが特徴のこの山椒は、“緑のダイヤ”と呼ばれる最高級品だ。

● 粉山椒(10g)480円( 田邊屋 TEL075-221-1407)

麩市 創業約170年
麩市 創業約170年

江戸中期に麩焼きの店として始まった麩市は、屋号の麩屋と町火消の組頭でもあった初代の市兵衛の頭文字からその名が付けられた。明治時代にはこんにゃくや粉からし、ところてんの製造を始め、伝統の手作りの味を今も守り続けている。福井県産の希少なからし種を使用した「地がらし」は、刺激的な辛さと豊潤で香ばしい独特の風味を味わえる逸品。独自の粉砕製法で種を丸ごとひくため茶色と黄色の粒が混在する同店オリジナルの和からしだ。

●地がらし(40g)226円( 麩市 TEL0776-35-0454)
田丸屋本店 創業145年

田丸屋本店 創業145年

静岡県で漬物屋として1875年に創業した田丸屋本店は、その後わさび漬を化粧樽に詰めた販売スタイルが評判となり、たちまち全国に誇るトップブランドに。静岡県産のわさびを中心に合成着色料や甘味料は一切使用せず、新鮮第一を心掛けた商品作りを行っている。まるでジュエリーのような美しさが話題を呼んだ「わさビーズ」は、オイルと混ぜ合わせたわさびを、皮膜で包んだ新感覚のわさび。プチッとした食感とともにわさびの辛みが広がる。

●わさビーズ(23g)594円(田丸屋本店 TEL0120-168-111)

河野酢味噌製造工場 創業132年

河野酢味噌製造工場 創業132年

1888年に米酢の製造を始め、当時の蔵と杉桶、豊富な地下水を大事に使い、こだわりの天然醸造を続けている河野酢味噌製造工場。蔵の壁や柱には創業当時から培われてきた「蔵付酵母」がすみ着き、新たな技術を取り入れながら、伝統の味を代々守っている。からし菜の種を石臼で粉状にした無添加の「地からし粉」は、からしの実に含まれるマスタードオイルを完全に残しているため、甘みと辛みをしっかりと感じられる風味豊かな味わいが特徴だ。

●地からし粉(65g)310円(河野酢味噌製造工場 TEL0867-42-0102)

久原本家 創業127年

久原本家 創業127年

久原本家の原点である醤油蔵が誕生したのは1893年。その後さまざまな調味料や食品の開
発に着手し、現在では複数の食品ブランドを展開している。福岡の里山にあるレストラン「御料理 茅乃舎」から生まれた主力ブランド「茅乃舎」では、厳選した素材を使用した化学調味料・保存料無添加の商品を販売。「青柚子胡椒」は、国産の青唐辛子と柚子皮に海塩だけを練り合わせて一つひとつ丁寧に仕上げている。さわやかな色合いと辛みが特徴だ。

●青柚子胡椒(60g)810円(久原本家 茅乃舎 TEL0120-84-4000)

吉田七味店 創業124年

吉田七味店 創業124年

群馬県の富岡市で1896年に創業した吉田七味店。代々受け継がれてきた伝統の製法を守り、地元で愛されてきた老舗だ。味と香りにこだわった七味唐辛子には、唐辛子、ごま、麻の実、山椒、陳皮、しそ、青海苔を使用。味と香りの要となるごまは風味が最大限に生かせるよう薪でじっくり焙煎する伝統の製法で仕上げられる。口に含むとまず香ばしさが広がり、後から辛さが追いかけてくる繊細かつ深い味わいが食材の味を引き立ててくれる。

●七味唐辛子 中辛(25g)540円(吉田七味店 TEL0274-62-4088)

やまつ辻田 創業118年

やまつ辻田 創業118年

かつて鷹の爪の特産地であった大阪府堺市で1902年に創業したやまつ辻田。現在では貴重となった国産純粋種の「鷹の爪」を創業以来守り続け、伝統の技を受け継ぎながら原料にこだわりぬいた和風香辛料などの製造を行っている。鷹の爪は、赤唐辛子を総称する言葉として使われることがあるが、本来は何百種類もある唐辛子の品種の一つ。同店で扱う鷹の爪の純粋種は、ほかの品種にはないまるで果実のような香りと澄みわたるような辛さが特徴だ。

●国産特上鷹の爪(8g)ビン400円(やまつ辻田 TEL072-236-1223)

エスビー食品 創業97年

エスビー食品 創業97年

日本初の国産カレー粉の製造に成功し、「一日一日を賀び、志をたてて商売にいそしみ励む」という思いを込め「日賀志屋」を創業したことに始まるエスビー食品。ただひたすら真っすぐに本物のおいしさを追求するという創業理念のもと、食の多様化に応えるさまざまな商品を食卓に提供してきた。創業時の屋号を冠した「日賀志屋」シリーズは、厳選した国産三鷹唐辛子や香り高い紀州有田産のぶどう山椒を100%使用した同社の中でも最高級の和風香辛料だ。

●日賀志屋 国産一味唐からし(14g)486円(エスビー食品 0120-120-671)

七味唐がらし本舗 おくむら 創業91年

七味唐がらし本舗 おくむら 創業91年

1929年の創業時より、一人ひとりの辛さの好みに合わせて目の前で調合し、量り売りで販売をしてきたという七味唐がらし本舗 おくむら。そのスタイルは現在も受け継がれ、多くの顧客に支持されている。「七味唐がらし 中辛」は、こだわりの味と香りを代々守り続けてきた看板商品。一味、陳皮、しそ、青海苔、ごま、麻の実、山椒を使用。辛さは控えめで、山椒が華やかに香る一品だ。山椒の効き具合や麻の実の量も好みで変更することができる。

●七味唐がらし 小袋 中辛(25g)540円(七味唐がらし本舗 おくむら TEL075-641-2293)

山清 創業82年

山清 創業82年

需要家に最も愛される最良の商品を提供するという経営方針のもと、1938年に創業した山清。主力商品のあんこやからしを中心に、有機食品の製造・販売にもいち早く取り組むなど、時代のニーズに対応した安心安全な商品を開発してきた。オリエンタルタイプの辛みの強いからし種子のみを使用した「鬼からし」は、独自の製法でていねいに仕上げた全粒粉タイプの和からし。鬼もびっくりするほどの辛さとからしの豊かな風味が特徴だ。

● 鬼からし(40g)156円( 山清 TEL0120-512238)

加藤美蜂園本舗 創業73年

加藤美蜂園本舗 創業73年

1947年の創業以来、食を通じた美と健康の創造を掲げてきた加藤美蜂園本舗。業界シェアNo.1の「サクラ印ハチミツ」を始めとした甘味料やこだわりの調味料などの製造・販売を手がけている。日本一の柚子の産地である高知県の中でも、北川村の香り高い青柚子を使用した「ゆずこしょう」は、柚子の皮と唐辛子、食塩のみで作られており、柚子のさわやかな酸味と風味、青唐辛子のピリッとした辛みがアクセントの万能香辛料だ。

●ゆずこしょう(40g)432円(サクラ印はちみつ TEL0120-00-4183)

味噌庵 創業69年

味噌庵 創業69年

京都の大原で1951年の創業以来、昔ながらの製法と良質の大豆、塩、麹のみを使用したこだわりの味噌を造り続けている味噌庵。姉妹店の「味噌と大原温泉 京の民宿 大原の里」で提供していた味噌鍋が話題を呼び、味噌の販売を始めたことをきっかけに、漬物や旬の野菜などこだわりの商品を販売している。とても希少な大原産の山椒の実を使用した「塩生山椒」は、独自にブレンドした特製の塩で味付けしており、山椒の豊かな風味を味わえる。

●塩生山椒(30g)2,100円(大原の里 TEL075-744-2240)

※『Nile’s NILE』2020年10月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。