カリフォルニア・ナパ ヴァレーの山肌で、サステイナブル農法によって育てた葡萄から高品質なワインを生み出すワイナリー「ニュートン」。その40年以上にわたるワイン造りの経験に根差し、この秋、誕生したのが新ブランド「スカイサイド」だ。ニュートンとの大きな違いは、ナパという枠組みを超え、広くノースカリフォルニアから最高の葡萄を選び出し、ブレンドしていること。多様性あふれる気候風土に育まれた、さまざまな葡萄の風味が融合し、多層的で複雑味のある表現力豊かなワインが楽しめる。
ワインメーカーは、1920年代に祖父がワインビジネスを始めるためトスカーナからアメリカへ移住したというルーツを持つアン・デンプシー。毎日の食卓に母の手料理とワインが並ぶ家庭で育ち、「家族や友人と、毎日気軽に贅沢ができるワインを造りたい」という思いからスカイサイドに参加した。カリフォルニアなどで16年、ワイン造りを続けてきた醸造家だが、スカイサイドでまず行ったのは、4カ月間をかけてノースカリフォルニア各地の葡萄畑を走り回り、優れた葡萄を探し求めること。そして、葡萄畑の栽培チームと一体となり、細部まで何ひとつおろそかにせず、こだわり抜いた最高のワインを造り上げた。
その年の畑や品種の出来を見極めながらブレンドするため、年によってブレンドの比率は変わる。たとえば、スカイサイド レッド ブレンド 2017は、メルロ44%、プティ シラー29%、カべルネ ソーヴィニヨン24%、カリニャン2%、シラー1%をブレンド。ダークな果実の風味と上質な酸味を持つメンドシーノ、ソノマ産の葡萄と、重厚感と凝縮度を高めるレイク、ソラノ、ナパの葡萄を融合させ、ミディアムボディーでタンニンと酸のバランスの良いまろやかな味わいに仕上げた。今すぐでも美味だが、収穫から5年後までは熟成も期待できる。
スカイサイド レッド ブレンド、スカイサイド シャルドネともに、アンが料理とのマリアージュを考えてブレンドしているため、食中酒としてその実力を発揮する。シャルドネはロブスターグリルをはじめレモンでローストしたチキンやサーモン、マッシュルームのクリームパスタなど、リッチでクリーミーな料理と相性抜群。レッド ブレンドは、ラムのハンバーガーやマッシュルームのニョッキ、ピザなど、スパイシーな料理と合わせて味わいたい。
※『Nile’s NILE』2020年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています