今、世界中を見渡すとたくさんの出来事が起きている。そしてまたそれらは、一つひとつが「固有の価値」や「絶対値」のある事柄のようにも見える。だからこそついつい、私たちは日々の生活の中で、これらの一つひとつにとらわれてしまうのである。 それと同時に政治にせよ、経済にせよ、あるいは社会にせよどうも確定的な出来事が起きずに推移しているのだ。それでいてさまざまな出来事が細々と続いてはいる。 これらの結果として私たちは、世界が織り成す流れに完全に翻弄され、あてどなく漂流しているというわけなのである。私はこうした状況だからこそ、まずは「俯瞰」することが必須だと考えている。
全体像をとらえなければ先に進むことができないのだ。まずもってこうした全体像、あるいは「世界の大流」をつかみとることが必須なのである。
そうした観点で世界を、そして我が国を見つめ直した時、思い出すべきことがあるのだ。それは今、私たち自身が暮らしているこの地球をとりまく環境そのものが、不可逆的な大流に巻き込まれ始めているということである。
最初に気づくべきなのが「太陽活動の激変」だ。最近ようやくマスメディアも語り始めているが、私たちの頭の上で照っている「太陽」は2012年ごろより大きく変化しているのである。太陽黒点数がゼロに限りなく近くなっている。その結果、太陽から地球に向かって放射される磁力線が薄くなってしまい、地球はいわば「丸裸」に近い状態で有害な宇宙線の直射を受けるようになっているのである。
次に、宇宙線を直接浴びている海洋が赤道付近を中心に、極端な形で暖まり始めている。そしてそこでつくられた暖かな海水が、地球の自転に伴って大陸へと向かうわけだが、その過程で雲を大量に発生させ、陸地に辿たどり着いた瞬間に大量の雨や雪を降らせているのである。これこそが、我が国において露骨に顕著になり始めた冬場の「大雪」の根源的な理由に他ならない。
夏場の雨や冬場の雪の量がこのようにして多くなると、今度は陸地における気温が下がってくる。寒冷化が時に著しい形で進むわけだが、これが今度は人体に悪影響を与える。人体においては体温が1度下がると免疫力が35%近くも下がることが知られている。そうした中で、感染症がやたらとはやるようになるのである。昨今、驚くべきことに我が国でも「梅毒」が流行の兆しを若者たちの間で見せていることもこれと無関係ではないのだ。
寒くなると凍えて体が動かなくなる。しかも感染症が蔓延していて出歩くのは危険だということになると、マーケットも停滞する。なぜならば人々は出歩かなくなると同時に、購買を手控えるようになってくるからだ。だからこそ、米欧の統治エリートたちは「デジタル経済」を推奨し、“FANG”と称せられる米系インターネット企業たちの発展を推し進めてきたというわけなのである。だが、こうした「非常手段」もいよいよほころび始めた可能性があることは、最近になってFANGの一翼を担うフェイスブック社が流出したデータが米国で政治利用されていたなどと糾弾され始めたことからも感じ取ることができるのだ。 だがそれでも止まらない寒冷化と経済の停滞の中で、冒頭でも述べた通り私たち人類は、徐々にこぞって「まったり」し始めているのである。言い方を換えるならば「エントロピーの増大」に、もはや打ち勝つことができなくなり始めているのであって、だからこそ冒頭でも述べたような状況に日に日に陥り始めているのである。
そうした中で、今なすべきことはただ一つ。「時間の整理」だ。無駄なことは切り捨て、できることは今すぐやる、やり遂げる。これで整理していくしかない。単純なことのように聞こえるが、日々の生き残りはその一点にかかっている。一度ご自身の「時間の整理」、考えてみてはどうだろうか。
原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。
※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています