香港のレジェンド、コロニアルシックの新たなフレーズへ

超高層ビルが林立し、めまぐるしく姿を変える香港。その中心で、半世紀以上にわたり変わらぬ存在感を放つホテルが、マンダリン オリエンタル 香港である。進化する充実の飲食部門を新たに、より輝きを増していく。

Text Koko Shinoda

超高層ビルが林立し、めまぐるしく姿を変える香港。その中心で、半世紀以上にわたり変わらぬ存在感を放つホテルが、マンダリン オリエンタル 香港である。進化する充実の飲食部門を新たに、より輝きを増していく。

観覧車の左後ろに見えるのが、マンダリン オリエンタル 香港。

世界に点在する都市国家の中でも、香港は極めて数奇な運命をたどってきた。中でも香港島中心部のスカイラインは20世紀から21世紀にかけてドラマチックな変遷を遂げた。山麓の香木の香る港は、水際まで次々と超高層ビルが建ち並ぶようになった。その中で1963年、当時香港島で一番高い(27階建て)の建物として開業したのが、マンダリン オリエンタル 香港だ。香港の政治経済の中心地セントラル(中環)の、かつては外洋船の波止場に臨んだ立地であった。埋めたて開発が進み、今では中国銀行や香港上海銀行の斬新な高層ビルなどに囲まれているが、その存在感はいまだ際立っている。

マンダリン オリエンタル 香港は、セントラルの中心部、中層でも不動の存在感が。

その四角い金庫のような形の建物には、香港のドラマとエンターテイメントが、ぎっしりと詰まっている。ドアマンの丁寧な物腰と金の扇に誘われて、次々と進化する8軒のカフェ、バー、レストランの旅へ。が、一歩中に入ると、外の喧騒は別世界のよう。往年の雰囲気を残す重厚で落ち着いたロビーラウンジと、その上のクリッパーラウンジでは、行き交うVIPゲストを眺めながら、東西の名物料理を堪能できる。

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    金の扇に迎えられる正面エントランス。
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    ランチブッフェが用意されたクリッパー ラウンジ。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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