故郷のみかんに思いを込めて

SDGs×企業 第31回

SDGsのために企業がやるべきことは、案外シンプルなのかもしれない。国内外に飲食店を展開するうかいでは、シェフパティシエが作り手の減りつつある「故郷のみかんの助けになれば」と、南濃みかんを使ったショコラを発案。素材を大切にし、環境や生産者の思いまで理解した料理や菓子を提供する同社の「100年続く店づくり」の伝統が、時代に求められるSDGsの取り組みにつながっている。

Photo   Text Rie Nakajima

SDGs×企業 第31回

SDGsのために企業がやるべきことは、案外シンプルなのかもしれない。国内外に飲食店を展開するうかいでは、シェフパティシエが作り手の減りつつある「故郷のみかんの助けになれば」と、南濃みかんを使ったショコラを発案。素材を大切にし、環境や生産者の思いまで理解した料理や菓子を提供する同社の「100年続く店づくり」の伝統が、時代に求められるSDGsの取り組みにつながっている。

さらに「アトリエうかい」では、高尾山麓で養蜂を行う「LʼABEILLE」との出会いを通じて、ミツバチがもたらす恵みに敬意を払い、「アトリエうかい」のスタッフが養蜂体験を行い、はちみつを使った期間限定スイーツを開発。食文化の発展とともに、地域の自然環境にも配慮した活動を行っている。

食文化の発展には、次代を担う子どもたちへの食育も欠かせない。「とうふ屋うかい」では相模女子大学小学部の食育学習の一環として、学内の農園で栽培された大豆を使って、子どもたちと一緒に豆腐づくりを行うプロジェクトを2015年から継続している。豆から自分たちの手の中で形を変えていく豆腐を見て、苦手だった豆腐が好きになる子どももいるという。

こうした活動は、うかいグループの理念に根ざしており、SDGsの視点に立った取り組みでもある。地域との連携を深め、100年続く店作りは時代に合わせて進化し、今も確かに継承されている。

●うかい
TEL 042-666-3333
www.ukai.co.jp

※『Nile’s NILE』2024年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。