アルピーヌの名は、世界の愛好家の胸を躍らせる、魔法のような魅力がある。1955年に創設されたフランスのスポーツカーメーカーであり、軽量さと敏捷性を極めた、優れた走行性能を持つスポーツカーとして、アルピーヌと名付けられた。
70年代には、代表的なモデルA110がラリー世界選手権でチャンピオンを獲得し、その名が世界的に広く知られることとなる。その後、ルノーのもとでスポーツモデルを生産し、ル・マン24時間レースで優勝するなど活躍を続けたが、1995年に惜しまれながら活動を休止した。
そのアルピーヌが復活を遂げたのは2016年のこと。その2年後には日本で新型アルピーヌ A110 プルミエール・エディションが50台限定で発売された。そして、満を持して登場したのが、ベースモデルのアルピーヌA110 ピュアとリネージだ。
新型アルピーヌ A110が目指したのは、アルピーヌのただ一つの約束「ドライビングプレジャー/運転する歓び」の実現である。さらに、かつてのアルピーヌを知るファンの心をくすぐってやまないのは、単純に初代A110を一足飛びに現代によみがえらせたのではなく、A110という独自性を持ったスポーツカーが時代とともに必然的な進化を繰り返す過程を一つ一つ想像しながら着地点を模索し、作り上げられたということだ。
だからこそ、アッ プタイムやパワー主義ではなく、ドライビングプレジャーだけに焦点を当ててゼロから取り組み、まさにその名にふさわしい、アルプスのワインディングロードをもモノともしない走行性能を備えた、ファン・トゥ・ドライブなクルマを誕生させた。
アルピーヌ A110 ピュアは、アルミ製ボディーや重量を削ったパーツの採用による徹底した軽量化、ミッドシップ・エンジンレイアウトのコンパクトなボディー、前後ダブルウィッシュボーンサスペンションの組み合わせによる正確な ハンドリングと安定性といったA110のDNAをそのまま受け継ぐモデル。俊敏性の高さが際立ち、まさに車と一体となる感覚でドライビングが楽しめる。
1脚13・1㎏のサベルト社製モノコックバケットシート、鍛造18インチアロイホイール、フロントソナー、リアカメラなどが装備されている。
リネージは、ドライビングプレジャーの豊かさに加え、洗練されたデザイン性と快適性を併せ持つ。日常でも使いやすく、長距離ドライブにも最適。高さ調整・リクライニング機能の付いたサベルト社製ブラウンレザースポーツシートを備えているのも特徴だ。よりダイナミックなスタイリングとスポーツ性能が際立つ走りを実現した、後発のA110Sも見逃せない。
まずはこのクルマに乗り込み、実際にその唯一無二のドライビングプレジャーを味わってみないことにはお話にならないだろう。アルピーヌを軽井沢で試乗し、モータージャーナリストにその魅力を聞く、またとない機会をぜひ楽しんでもらいたい。
ALPINE A110 PURE
ボディー:全長4205×全幅1800×全高1250㎜
エンジン:1.8ℓ 直列4気筒直噴ターボ
最高出力:185kW(252ps)/6000rpm
最大トルク:320Nm(32.6kgm)/2000rpm
駆動方式:MR
トランスミッション:7速AT
価格:8,046,000円~
●アルピーヌ コール TEL0800-1238-110
※『Nile’s NILE』2020年10月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています