GM、燃料電池車とハイブリッド車を日本初公開

エネルギーの多様化のなかGMの戦略は

(上)燃料電池車「シボレー・エクイノックス」外観。(左)戦略ビジョンを語るゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン代表取締役リック・ブラウン氏。(右)GM第4世代燃料電池システム。
(上)燃料電池車「シボレー・エクイノックス」外観。(左)戦略ビジョンを語るゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン代表取締役リック・ブラウン氏。(右)GM第4世代燃料電池システム。

ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパンは2008年11月10日、ハイブリッド車の大型SUV「シボレー・タホ・ハイブリッド」と、燃料電池車「シボレー・エクイノックス」を日本初公開。「テクノロジーセッション」と称し、技術担当者のプレゼンテーションおよび試乗会が行われた。

注目すべきは、水素燃料電池車の商用化へのビジョンを発表したことだろう。水素は、水、天然ガス、バイオマスなどあらゆる物質から精製でき、石油を一切使用せず、排出ガス、温室効果ガスの排出をしないサスティナブルかつエコロジーというのが、最大の魅力だ。ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン代表取締役リック・ブラウン氏が、

「水素燃料電池が、次世代を担う持続可能な代替システムとして最有力候補だ」というのも頷ける。

GMは、石油に代わるエネルギー開発が多様化するなか、最終的に、水素燃料電池車の商用化を目指す。

20XX年水素燃料電池車の商用化に向けて

燃料電池車「シボレー・エクイノックス」。
燃料電池車「シボレー・エクイノックス」。

水素燃料電池車の商用化の実現に向けての動きとしては、既に米国、韓国、中国、とドイツで100台以上実施している走行テストを実施。日本においても、監督官庁の許可を受け、走行実験を実施し、技術の実証をしていく。

その後市場の動向を見つつ、商用化を進めていく上でのインフラの整備を行う意向。2015年あたりを目途に先行してスタンドの設置を開始するという。今回公開した水素燃料電池自動車「シボレー・エクイノックス」は、1回水素補給で320km走行でき、最高速度160km/h、氷点下での始動も可能だ。

世界各国での走行テストを基に、改良を加え、本格的な市販化を目指す。そういう意味で、今回行われた「テクノロジーセッション」は、近い将来の市販化へ向けた日本における第一歩と言えるだろう。

2モードハイブリッド車にみる未来

ハイブリッド車の大型SUV「シボレー・タホ・ハイブリッド」。
ハイブリッド車の大型SUV「シボレー・タホ・ハイブリッド」。

今回日本初公開されたもう一台の車が、米国で2007年に発売された「シボレー・タホ・ハイブリッド」である。米ゼネラルモーターズと独ダイムラーAG、独BMWが共同開発した「2モードハイブリッドシステム」を搭載した大型SUVだ。低速走行時と高速走行時で2つのモーターを使い分け、燃費効率を向上させる。単一モードのハイブリッド車と違い、エンジンパワーに合わせモーターを選択し、より効率の良いドライビングを可能にする。

この燃費効率の差は、中型・大型車において顕著であり、すでに何社かの自動車メーカーで導入され、メルセデス・ベンツやBMWも同システムを搭載した車種を発表し、実用化に向け動いている。ひとえにハイブリッドと言っても、単一ハイブリッド、2モードハイブリッド、プラグインハイブリッドなど様々な方向に派生的に進化を続けている。今回のセッションで、ハイブリッドのさらにその先、水素燃料電池車による排出ガスゼロを目指すGMのビジョンを見ることができた。

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。