マルチな才能の持ち主である。ロックに打ち込んだ学生時代にギター、ベース、ドラム、キーボードをマスターすると、高校卒業と同時に入った宮内庁楽部で雅楽を学び、篳篥(ひちりき)、琵琶、鼓類、歌、チェロなどを担当したという。
「こうなると、初めて出会った楽器にも物怖じするということがありません。海外の民族楽器なども、手に取って少しいじっていると音階が掴めてきて、メロディーを奏でられるようになる自信はあります」。端正な顔立ちに温かな微笑みを浮かべながら、東儀秀樹はそう答えた。
文字どおりの天才肌。だから作曲をするときも、いきなり頭のなかに音楽が舞い降りてくる。「ピアノを前にして悩むこともなければ、五線譜に向かって和音を構築するということもしません。ただ、頭のなかに音楽としてできあがったものがひらめくんです。伴奏なども、いっぺんに全部聞こえてきます」
そんな創作活動を行うとき、クルマは特別な空間となる。「制作過程の作品をチェックするにも、イマジネーションを広げるにも、僕にとってはクルマのなかがベスト。クルマという乗り物がそうさせるのか、誰にも邪魔されないという状況がそうさせるのかはわかりません。ただひとつ言えるのは、僕はどんな渋滞も苦にならないくらいクルマの運転が大好き。自分の好きなことをやっていて精神衛生がいい状態だから、いいアイデアも浮かぶのでしょう」
クルマ好きの趣味が高じて国内外のクラシックカー・イベントに参加。ついには、仲間たちと協力してラリーニッポンというクラシックカー・イベントを自ら立ち上げてしまった。「日本は若者向けの文化ばかりが広まって、大人たちの居場所がありません。でも、ヨーロッパには確実に大人の世界が存在している。クルマ遊びも同じで、たとえば僕がかつて出場したイタリアのミッレミリアであれば、国を挙げてイベントを応援してくれる。そんな、クルマを通じた文化が根付いてくれることを願って、2009年にラリーニッポンを立ち上げました」
とことんクルマにこだわる東儀は、もちろんタイヤにもこだわりを貫き通す。「クルマ好きにもいろいろなタイプがありますが、クルマの運転が好きという人ほどタイヤのブランドにもこだわりを持ちますね」
メルセデス・ベンツE60 AMGを普段の足としている東儀に、ブリヂストン「レグノ GR-XT」を装着したメルセデス・ベンツE250を試乗してもらった。「このタイヤ、静かですね。でも、決して無音なわけではなく、ドライバーに安心感を与える音を伝えてくれる。安心感のある、心地のいい音だと思いました」
事実、このタイヤは、東京大学生産技術研究所応用音響工学研究室との共同研究により、様々な路面でのノイズを抑制することに加え、路面ごとの音の変化を抑え、人が心地よいと感じる音色を追求している。
このタイヤが奏でる音色は、天性の音楽家さえもうならせる。
●東儀秀樹(とうぎ・ひでき)
1959年東京生まれ。海外で過ごした幼少期にロック、クラシック、ジャズなどあらゆるジャンルの音楽を吸収。高校卒業後、宮内庁楽部に入庁し、宮中儀式や皇居で行われる雅楽演奏会に出演する。1996年、アルバム「東儀秀樹」でソロデビュー。その後も音楽家として幅広く活躍するいっぽう、俳優、画家としても活動。6月からは古澤 巌とともに全国ツアー「午後の汀」を行う。
https://www.togihideki.net/
こだわりを貫くクルマ好きが選ぶタイヤ
自分の世界にこだわり、ひとりの大人としてクルマの楽しさを追求する東儀秀樹。そこに息づくのは、クルマを慈しむ深い愛情と、本物だけを見極める鋭い感性であろう。そして、その厳しい審美眼によって選ばれたものだけが、彼のガレージに入ることを許される。
“こだわり”が貫かれるのは、クルマだけとは限らない。どんな小さなパーツであろうとも、自分の愛するクルマに装着するとなれば徹底的に選び抜き、こだわり抜く。それこそ、大人に相応しいクルマの楽しみ方であろう。
となれば、タイヤもその厳しい視線にさらされて当然ということになる。クルマと路面を結ぶ唯一の接点であるタイヤは、時としてクルマ全体のキャラクターを左右しかねないほど大きな影響を及ぼす。クルマ好きの大人であれば、絶対にないがしろにできないポイントのひとつといえる。
静かなる、走りの正統、レグノ。運動性能と快適性能を高次元でバランスさせるだけでなく、燃費性能の改善により環境問題にも取り組んだブリヂストンのフラッグシップモデルに、いま、クルマ好きの大人たちは熱い視線を注いでいる。
●ブリヂストン お客様相談室
TEL 0120-39-2936
※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています