2人乗オープンスポーツ メルセデス・ベンツの新型SLK

Text Fumio Ogawa

30代もターゲットという新型SLKの若返り戦略

新型メルセデス・ベンツSLK

7年ぶりのフルモデルチェンジで3代目となった新型メルセデス・ベンツSLK。2011年5月に日本発売されて以来、400台を超える受注という。特徴は、4m少々のコンパクトな全長の車体に、電動開閉式の屋根「バリオルーフ」、そして燃費経済性にすぐれるパワートレインなど多岐にわたる。

SLKはご存知のとおり、手軽で扱いやすいオープンカー。2人なので、市街地で乗り回すととりわけかっこがよい。といっても非力ではない。高速でもパワフルなエンジンが用意されている。新型SLKでは、1.8リッター4気筒ターボエンジン搭載「SLK 200 BlueEFFICIENCY」(580万円)に加え、パワフルな3.5リッターV型6気筒エンジンの「SLK 350 BlueEFFICIENCY」(770万円)もラインナップされた。

メルセデス・ベンツといえば、ゆるぎないブランドだが、その一方で、若い層には、アピールが多少弱かった。確立されたブランドによくあることともいえる。メルセデス・ベンツ日本では、新型SLKより若い世代にも販売したいと考え、本革シートなどいくつかの快適装備を省略し、こなれた価格設定の「SLK 200 BlueEFFICIENCY Sport」(525万円)も設定したのがニュース。

「従来のSLKユーザーは50代と60代の自営業や管理職が中心だったが、今回は30代と40代の会社員という若い層にも積極的にアピールしていきたい」と、メルセデス・ベンツ日本マーケティング担当者は話している。

よりパワフルにしかしより経済的に 新型V6エンジンに注目

フロントマスクは、SLS AMGやCLSを思わせるデザインテーマが採用され、アグレッシブな印象が強くなった。
フロントマスクは、SLS AMGやCLSを思わせるデザインテーマが採用され、アグレッシブな印象が強くなった。

新型SLKの特徴はなにか。まず、これまでのモデル(従来型という)に比して、ひとまわり大きな車体を持ったことが挙げられる。前輪と後輪の軸を結んだホイールベースは変わらないが、全長で35㎜延び、全幅で35㎜広がり、全高で5㎜高くなった。見た目的にも、リアフェンダーが大きく盛り上がって見えるデザインで迫力が増している。

では大きすぎるかというと、じつは、ハンドルを切ったときに感じる車体のサイズ感と関係する最小回転半径は、従来型より100㎜小さくなっている。つまり、とりわけ混んだ市街地では扱いやすくなっている。やはりSLKは街が似合うクルマだ。

高速道路をはじめ、走行性能はどうか。これもSLKの得意科目だ。なぜかというと、メルセデスに乗ったことがあるひとなら先刻おわかりのように、安定感のある走りはSLKもしっかり備え、そのうえ、エンジンは燃費経済性にすぐれるからだ。

エンジンは2種類。SLK 200 BlueEFFICIENCY(以下SLK200)には、Cクラスでも評価の高い、最高出力135kWの1.8リッターターボエンジンが搭載される。250Nmの最大トルクは1,800rpmから発生するので低速でも充分力強さを感じる。SLK 350 BlueEFFICIENCY(以下SLK350)には3.5リッターV6エンジンが積まれる。こちらは希薄燃焼技術などの新技術が採用されていて、やはり燃費にすぐれる。数値でみると、従来はリッター9.1kmだったものが、新型では13.2km(10・15モード)へと大きく向上している。

夏はすずしく冬は温かく 快適にドライブできる新装備

(上)「パノラミックバリオルーフ」(オプション80,000円)と、ガラス部分の濃淡がスイッチで切り替えられる「マジックスカイコントロール・パノラミックバリオルーフ」(同250,000円)と、2種類のバリエーションがオプション設定されている。(下)機能的だが、「ジェット機を思わせる」とメルセデス自身が言う、4つのエアアウトレットなど、スポーティな印象が強いダッシュボードのデザイン。ハンドルは正円でなく、下がカットしてある、欧州のスポーティカーにときどきある形状。
(上)「パノラミックバリオルーフ」(オプション80,000円)と、ガラス部分の濃淡がスイッチで切り替えられる「マジックスカイコントロール・パノラミックバリオルーフ」(同250,000円)と、2種類のバリエーションがオプション設定されている。(下)機能的だが、「ジェット機を思わせる」とメルセデス自身が言う、4つのエアアウトレットなど、スポーティな印象が強いダッシュボードのデザイン。ハンドルは正円でなく、下がカットしてある、欧州のスポーティカーにときどきある形状。

もうひとつ、新型SLKの特徴といえば、快適性があげられる。たとえば、バリオルーフとよばれる電動開閉式のルーフは、1996年登場の初代で早くも採用されていたが、今回は ここにガラスをはめこんだ。「パノラミックバリオルーフ」(オプション80,000円)と、ガラス部分の濃淡がスイッチで切り替えられる「マジックスカイコントロール・パノラミックバリオルーフ」(同250,000円)と、2種類のバリエーションがオプション設定だ。

ルーフを上げれば堅牢なクーペ、開ければ軽快なオープンスポーツという、SLKのコンセプトに沿いながらも、新しい世代ならではの魅力を盛り込んでいる。あまりオープンにできない北欧の冬ではありがたがられる機構だし、クーペとして乗ることが多い東京などでもユーザーに歓迎されるそうだ。

居住性の面では、全幅が広がったぶん、空間的な余裕が出来ているのが印象ぶかい。シートの機能が充実したのも居住性を上げている。冷寒時のドライビングのために、座面のヒーター機能と、首まわりに温風を吹き出す「エアスカーフ」を装備している。暑いときは、革シートに特殊な表面加工をすることで表面温度の上昇を従来と比べて13℃抑えるという機能を持つ。シート以外にも、「エアガイド」といって、シンプルなデザインながらオープン走行時に効果的に風の巻き込みを抑える装備が用意された。

車内エンターテイメントも充実。iPodやiPhoneのようなスマートメディアを接続できるエンターテイメント機能をはじめ、ナビゲーションは、グーグルマップと連動することで目的地検索あるいは周囲の施設の検索などがよりやりやすくなっている。

1.8リッターと3.5リッター キャラクターが異なる2モデル

(上)車体は全幅こそ1.8mを超えるワイドなものだが、全長は4mそこそこで、コンパクトな2人乗りスポーツカーとして軽快感を身上とする。(下)新設計の「エアガイド」を乗員後頭部のあたりに設けることで、風の巻き込みは出来るだけ抑えられている。米国などではオープン走行が好まれる。
(上)車体は全幅こそ1.8mを超えるワイドなものだが、全長は4mそこそこで、コンパクトな2人乗りスポーツカーとして軽快感を身上とする。(下)新設計の「エアガイド」を乗員後頭部のあたりに設けることで、風の巻き込みは出来るだけ抑えられている。米国などではオープン走行が好まれる。

新型SLKの走りはどういうものか。対面したときは、「全幅が広くなったなあ」と思うが、走り出すとそれをもてあますことはない。全長は長くなったといっても4mを少々超えるだけなので、依然としてコンパクトな2シータ-というよさがきちんと残っている。

SLK200とSLK350。この2台はエンジンの差でだいぶキャラクターが違う。SLK200は2,500rpmからパンチを効かせるターボチャージャーによって、どちらかというと、スポーティな運転を楽しみたいひと向け。エンジンが小型のぶん、とくにハンドルを切ったときの動きは軽快だ。それに対してSLK350はしっとり。落ち着いて、低回転域からトルクがたっぷりあって、よりおとなっぽい印象だ。

SLK200とSLK350の差は乗り心地からも感じられる。前者はやや硬めで舗装がよくないと少々ショックが伝わってくる。SLK350は重量が120kg重いせいか、そのぶん乗り心地は快適。洗練度はあきらかに高い。2つのモデルは明確にキャラクターの違いを感じさせた。SLKのよさを手軽なオープンスポーツととらえれば、190万円(SLK 200 BlueEFFICIENCY Sportsだと245万円)という価格差を考えても、SLK200はいい選択ではないかと思う。コンパクトで街中を軽快に走り、時としてリゾートまで足を伸ばす――。そんな使い方で不足はないはずだ。

SLKの魅力は若々しさ。加えてメルセデス・ベンツでしか得られない安心感のある操縦感覚が価値を高めている。シャープなオープンスポーツカーはほかにもあるが、ハツラツとしたときも、少々癒しが欲しいときも、つねに変わらず態度で接してくれる。そんな擬人法的表現がぴったりくるのは、新型SLKだけかもしれない。

MERCEDES-BENZ SLK 200 BlueEFFICIENCY Sport
ボディ|全長4,145×全幅1,845×全高1,305㎜
エンジン|1.8! 直列4気筒DOHC+ターボチャージャー
最高出力|135kW[184ps]/5,250rpm 最大トルク|270Nm/1,800~4,600rpm
駆動方式|後輪駆動 トランスミッション|7段オートマチック 価格 525万円~

MERCEDES-BENZ SLK 350 BlueEFFICIENCY
ボディ|全長4,145×全幅1,845×全高1,295㎜
エンジン|3.5! V型6気筒DOHC
最高出力|225kW[306ps]/6,500rpm 最大トルク|370Nm/3500~5,250rpm
駆動方式|後輪駆動 トランスミッション|7段オートマチック 価格 770万円

●MERCEDES CALL TEL0120-190-610 

※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。