NISSAN GT-R プレミアム試乗会

Photo Yu Nakaniwa Text Fumio Ogawa

GT-R プレミアム・エディションとGT-R NISMOをテストコースで乗り比べ

  • GT-R NISMO GT-R NISMO
    日産を代表するスポーツカーである「GT-R」。クルマのあらゆる上質を極めた「GT-R プレミアム・エディション(オレンジ)」と、GT-Rの伝統の走りを極めた「GT-R NISMO(白)」を日産車の開発で使われているテストコースで乗り比べた。
  • GT-R プレミアム・エディション GT-R プレミアム・エディション
    日産を代表するスポーツカーである「GT-R」。クルマのあらゆる上質を極めた「GT-R プレミアム・エディション(オレンジ)」と、GT-Rの伝統の走りを極めた「GT-R NISMO(白)」を日産車の開発で使われているテストコースで乗り比べた。
  • GT-R NISMO
  • GT-R プレミアム・エディション

スポーツカーの今のトレンドとは何か。公道とサーキットの境界がなくなってきていることかもしれない。公道でも乗れるレースカーというべきか、サーキットでも楽しめるスポーツカーというべきか。欧米のスポーツカーはこの傾向が強くなっている。

日産GT-Rもやはり、二つの世界を楽しませてくれるモデルだ。2007年に登場した時は、サーキットでの性能ぶりを強く喧伝されていたが、年次改良をきちんと施されて、街中でも快適に乗れる、大人向けのスポーツカーへと“進化”しているのだ。

GT-Rのすごいところは、かといって、サーキットを含めたスポーツ走行における性能が犠牲になっていない。どころか、いちだんと強化されているのである。

「発表して10年近く経つモデルですが、内容的には初期のフルモデルチェンジといってもいいぐらいに進化しています」

2013年以来、GT-R統括責任者を務める田村宏志氏はそう語っている。実際に、田村氏の指揮下でGT-Rはアクティブノイズコントロールなど静粛性や快適性を追究したバージョンを持つ一方、600馬力のレースカーなみの性能を持つ「GT-R NISMO」とバリエーションが展開されている。

その真髄を味わうには、しかしながら、場所が限られている。そこで日産自動車では、プレミアム試乗会なる特別な機会を設けてくれているのだ。

GT-Rのポテンシャルを感じる

2018年6月30日、7月1日で「NISSAN GT-Rプレミアム試乗会」が開かれた場所は、神奈川県横須賀市にある日産自動車の「追浜(おっぱま)試験場グランドライブ」。 そこに「GT-Rプレミアム・エディション」(570馬力)と「GT-R NISMO」(600馬力)の2台が用意され、バック・トゥ・バック(次々)で試乗する機会が提供されたのだ。

日産自動車追浜工場テストコース
今回のプレミアム試乗会は、日産自動車追浜工場テストコース(グランドライブ)で開催された。

「GT-Rのポテンシャルをフルに感じとっていただきたい」

当日担当者が説明してくれたように、ショートコースながら、フル加速やフルブレーキングも体験できる設定だった。

・静止から時速100キロまでのフル加速
・フルブレーキング
・時速50キロでのスラローム走行
・シフトアップおよびシフトダウン時の音の演出「チタンマフラーによる高揚感のある加速音」の楽しみ

上記でこの試乗会は構成されている。アクセルペダルを強く踏みつつ、ブレーキペダルで発進を抑え、グリーンライトでゴーというローンチコンロールも使える。「GT-Rプレミアム・エディション」のタイヤから白煙をあげそうな加速ぶりに感心していると、しかし、「GT-R NISMO」はその上をいくシャープなハンドリングで驚きを上書きしてくれるのだった。

ステアリングホイールを操作していると、まさにドライバーと一体化して動く感覚はみごと。クルマの動きを考えて、車体の四隅まで重量の計算をしたという開発者のこだわりも真に思える。

かといってスポーティーだからいい、というのでもない。長めのストレートを走っていると、よく動くサスペンションを備えた「GT-Rプレミアム・エディション」の快適性も魅力的に。「GT-R」の二つのよさがわかる。

  • 試乗を終えた人 試乗を終えた人
    試乗を終えると誰もが笑顔で降りてきて、口々に「すごい気持ちのいい走り」「運転が楽しい!」「よくできたクルマ」と興奮気味で感想を述べた。
  • 日産の各部門で開発を手がけるプロフェッショナル 日産の各部門で開発を手がけるプロフェッショナル
    日産の各部門で開発を手がけるプロフェッショナルが詳しい説明を個別にしてくれた。
  • 「GT-Rプレミアム・エディション」と「GT-R NISUMO」 「GT-Rプレミアム・エディション」と「GT-R NISUMO」
    試乗用に「GT-Rプレミアム・エディション」と「GT-R NISUMO」が2台ずつ用意された。
  • 軽食 軽食
    朝食や昼食を兼ねて、しっかり食べられる軽食が華やかに並ぶ。
  • 試乗を終えた人
  • 日産の各部門で開発を手がけるプロフェッショナル
  • 「GT-Rプレミアム・エディション」と「GT-R NISUMO」
  • 軽食

GT-R統括責任者の田村氏の言葉通り、5車種ある「GT-R」には求めるものによって選ぶ楽しみがきちんと用意されているのだ。

欧州ではスーパースポーツカーが続々登場して、サーキットでも高い走行性能を持つことを誇るが、今も「GT-R」はまったく負けていないと感じる。それを自分の運転で確信できるのだから、プレミアム試乗会はクルマ好きにとって、またとない機会だ。

GT-R統括責任者の田村宏志氏
各自の2モデルの試乗を終えて、GT-R統括責任者の田村宏志氏が、GT-Rの開発秘話などを熱く語った。

秋に兵庫のセントラルサーキットで試乗会開催

※イベントの応募は締め切りました。

7月の試乗会に参加した人たちは、運転した感想を下記のように述べた。

「もっと制御の難しいクルマを想像していたが、スラロームを始め、素人でも意のままに扱えるクルマであることが確認でき、大変有意義でした」

「スタッフの皆さんが丁寧に対応してくれ、とても心地よかったです。専門的な話もとても参考になりました」

「サーキットでNISMOの試乗ができるという貴重な体験ができて大変満足です。サーキット走行やスポーツモードでの走行により、クルマの動きをはっきりと感じることができた。ブレーキングを体感でき、安全性が高いクルマだということが伝わりました」

欧米のスーパースポーツカーに対して「NISSAN GT-R」を持つことのメリットは何か。まず挙げられるのがサービス体制の充実ぶりだ。「日産ハイパフォーマンスセンター」が全国約100個所に接地され、特別教育を受けた「GT-Rマイスター」が常駐している。トラブルは少ないとはいえ、いざという時に相談に乗ってくれる専門家の存在は頼もしい。同時にブレーキやタイヤなど、高性能を維持するためのパーツのチェック、あるいはより高性能パーツへの交換などの相談にも乗ってもらえる。

エンジンは「匠(たくみ)」と呼ばれるわずか5名の熟練技能工が組み立てる。海外にもエンジンに組み立てた熟練工の名前のプレートを貼るメーカーがあるが、今はオートメーション化の流れが強い。

顔の見えるひとたちが誇りを持って開発し、組み立て、テストする「GT-R」。その魅力を堪能できるプレミアム試乗会が、10月7日、8日の2日間、兵庫のセントラルサーキットで開催される。これを見逃す手はない。そう断言できる。

  • 「GT-R NISMO」 「GT-R NISMO」
    会の最後には、実験部のドライバーの横に同乗して“フル加速体験”を。よりレーシング機能を高めた「GT-R NISMO」でプロの走りを体感するのは、このクルマの実力を存分に知ることができる。
  • 「GT-R プレミアム・エディション」 「GT-R プレミアム・エディション」
    洗練された乗り心地が最大の魅力である「GT-R プレミアム・エディション」は、「“普段乗り”も“本格的な走り”も、クルマを運転するといういろいろな楽しみをイメージできる。しかも、乗り心地がとてもいいから、同乗者もとても気分よく乗れると思います」
  • 「GT-R NISMO」
  • 「GT-R プレミアム・エディション」

●GT-R NISMO
ボディー:全長4690×全幅1895×全高1370mm 
エンジン:V型6気筒DOHC/VR38DETT(NISMO専用チューニング)
最高出力:441kW(600PS)/6800rpm 
最大トルク: 652N・m(66.5kgf・m)/3600~5600rpm 
駆動方式:4WD 
トランスミッション:GR6型デュアルクラッチ 
価格:18,700,200円

●GT-R Premium edition
ボディー:全長4710×全幅1895×全高1370mm 
エンジン:V型6気筒DOHC/VR38DETT 最高出力:419kW(570PS)/6800rpm
最大トルク: 637N・m(65.0kgf・m)/3300~5800rpm 
駆動方式:4WD 
トランスミッション:GR6型デュアルクラッチ
価格:11,705,040円

※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。