「私どもが目指すのは、持続可能なラグジュアリーカーメーカーとして世界をリードすることであり、その次なるステップがベンテイガ ハイブリッドなのです」
ベントレー モーターズのエイドリアン・ホールマークCEOがそう語るように、これまでスタンダードの「V8」を皮切りに、635psを発生する6リッターW12を搭載した「スピード」、V8をスポーティーに仕上げた「S」とラインアップを広げてきたベンテイガの第4のモデルとして2021年12月に日本に導入された「ハイブリッド」は、新たな事業戦略“Beyond100”の元で持続可能なラグジュアリーカーメーカーとして2030年までにエンドtoエンドのカーボンニュートラル達成を目指すベントレーにとって、大きなターニングポイントとなるモデルである。
搭載されるエンジンは、単体で最高出力340ps、最大トルク450Nmを発生する3リッターV6DOHCシングルターボ。そこに最高出力126ps、最大トルク350Nmを発生するモーターを組み合わせることで、システム全体で449psの出力と、700Nmのトルクを発生。0– 100㎞/h加速4・3秒、最高速度285㎞/hと、必要にして十分以上のパフォーマンスを発揮する。
手元のスイッチで任意に変えられる走行モードは、電気モーターのみの「EVモード」、エンジンとモーターを効率よく活用する「ハイブリッドモード」、そしてバッテリーの充電量を維持する「ホールドモード」の3種類。いずれも走り出しはモーターが起動し、しかるべき速度やペダルの踏み具合に達した時に自動でエンジンへとバトンタッチするようになっているので、走り出しはEVのように静かでスムーズな印象だ。ちなみにEVモードだけでも最大で51㎞(WLTP値)の航続距離を誇るほか、最高速度も134㎞/hまで出るので、EVモードだけで日常使いを賄うことも十分可能だろう。
また、ハイブリッドモードでは、ナビゲーションに設定した目的地に到着した際にちょうど充電量がゼロになるように自動でモーターとエンジンのエネルギーコントロールができるようになっており、システム全体で858㎞とV8を上回る最大航続距離と併せ、長距離ドライブの大きな味方になってくれるはずだ。
さらに、リアラゲッジスペース下に容量17・3kWhのリチウムイオンバッテリーを配置したことで、車重は増えたものの、前後重量配分が50:50となり、バランスのいいしっとりと落ち着いたハンドリングに仕上がっていることなど、その洗練具合はハイエンド・ラグジュアリーSUVにふさわしい。そうした完成度の高さからも完全電動化を目指すベントレーの本気度の高さが窺える。
続いてフライングスパー ハイブリッドの発売を予定しているベントレー。彼らがこれからのクリーンラグジュアリーカーシーンを牽引するキーブランドとなるのは間違いなさそうだ。
●ベントレーコール TEL0120-97-7797
※『Nile’s NILE』2022年2月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています