BMWが新たに手がけた8シリーズが日本に入ってきた。
BMW M850i xDriveクーペは、4.4リッターV型8気筒エンジンにフルタイム4WDシステムの組み合わせだ。最高出力は390kW(530ps)、最大トルクにいたっては750Nmもある。大パワーのために四つのタイヤを駆動するのがBMWの流儀で、同社のスポーツセダン、M5もフルタイム4WD搭載だ。
それだけ聞くと、8シリーズはサーキット走行が好きな、限られた人のためのクルマだと思うかもしれない。その心配は無用だ。秘めたるパワーはすごいが、同時に街中のショッピングを無理なくこなせるフレキシビリティーが身上である。
そもそもスタイルが洗練されているではないか。フロントは左右に広がったキドニーグリルと大きなエアダムでアグレッシブな雰囲気だが、プロファイル(側面の眺め)はすっとリアが伸びたロングテールボディーである。見事にエレガントなのだ。
BMWは野生と知性と品性、このバランスのとり方が超絶に上手なメーカーである。8シリーズも例外ではないと、つくづく思う。