小さな幸せが常に感じられる豊かで心地良い日常。そんな暮らしを大切にする北欧では、決して華美ではなく、シンプルだからこそ美しいプロダクトが数多く生み出されてきた。その北欧デザインのスピリットを体現しているのが、ジュエリーを始め、ウォッチ、ホロウェア(深皿)、カトラリーなどを生み出すジョージ ジェンセンだ。
同ブランドが生まれたのは今から120年近く前の1904年。優れた銀細工職人であったジョージ・ジェンセン氏が、デンマーク・コペンハーゲンで銀製品の工房として創業した。ジェンセン氏は自らデザインを手掛けると同時に、さまざまなアーティストやデザイナーとコラボレートして独創的でモダンな銀製品を発表。一方で多くの職人とともに卓越したクラフトマンシップを築き上げ、最高品質のクオリティーを現代にまで継承している。
なかでもジュエリーは「日常で身につけやすく、喜びを添えるもの」を目指し、長い歴史のなかで多様なデザインを生み出してきた。普遍性を備えたタイムレスなジュエリーとして極力ミニマムにデザインしているものの、一つひとつに確かなオリジナリティーがあり、愛着を持って長く身につけられるものばかりだ。
ここ数年は特にゴールドジュエリーに力を入れ、よりラグジュアリーな方向へと選択の幅を広げている。ゴールドジュエリーの代表となるコレクション「フュージョン」は、パズルのように複数を組み合わせることで自分だけのかけがえのないリングを完成させるという斬新なコレクション。ホワイト、イエロー、ローズと3種のゴールドを生かしたシンプルなものの他、ダイヤモンドやサファイアをあしらったものをそろえ、2連、3連と自由に組み合わせられる。
また、最新作ではいくつかのコレクションに、ゴールドのなかでも華やかなイエローを追加。ブランドを代表する「ムーンライト グレープ」では、イエローゴールドにダイヤモンドを合わせたピアス、ペンダント、ネックレスを発表した。これは、アールヌーボーの潮流があった創業初期、豊穣の象徴として愛される葡萄のモチーフをさまざまな製品に取り入れ、そこから発展して生まれたコレクションだ。当時ジェンセン氏が「シルバーの優しい輝きは月明かりのよう」と例えたことからその名がついた。新作はこれまでより葡萄の実が小ぶりになり、すっきりと身につけることができるだろう。
2020年春夏にデビューした「カーヴ」からもイエローゴールドにダイヤモンドを合わせたリング、バングル、イヤーフープを発表。張力やエネルギーを均衡化する曲線に着想を得たデザインは有機的で立体感があり、さりげない個性を放つ。
2020年春には東京・銀座にフラッグシップショップをオープン。北欧らしい心地良さと洗練された雰囲気を併せ持つ空間に足を運び、唯一無二の美しいデザインとクオリティーを感じてほしい。
●ジョージ ジェンセン ジャパン TEL0120-190-404
※『Nile’s NILE』2021年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています