都心をあとに、箱根の杜へのアクセスは、ほんのわずかなひとときと言えた。たとえそれが気まぐれな突然の思いつきであったとしても、宮ノ下に広がる深い緑の静寂は、いとも容易く手に入るのだ。全身にリアルスポーツカーの走行性能を完備したこのラグジュアリーセダンならば、少しの無理もなく、それは可能なことだ。そして季節が微細に移り変わるたび、由緒ある東京の奥座敷は、いつでも幾度でも訪れたくなるクラシカルな魅力に満ちあふれている。
2010年3月、箱根宮ノ下に誕生した高級会員制リゾートホテル「エクシブ箱根離宮」。全国展開するエクシブの中でも、特別な至高性を表す「離宮」の2文字を伴う施設は、エクシブ京都 八瀬離宮に次いで2施設目となる。コンセプトは「離宮 ノーブル&ラグジュアリアス」。洗練されたデザインと歴史ある避暑地にふさわしい気品を上質なリゾート空間へと昇華させ、すべてに贅の境地を演出している。
国道1号線から早川を見下ろす広大な森の斜面に、すべてがコネクトされて5棟の建物が配され、豊富なバリエーションの全187室の客室からは、宮ノ下と箱根連山の四季折々の眺望が広がる。1部屋を14名のオーナーで共有するエクシブの「タイムシェアリング・システム」を進化させた1フロアの部屋数×14名で共有する「フロアシェア・システム」を導入し、利用人数と利用シーンに応じて1ベッドルーム・2ベッドルーム・和モダンルームなどから部屋タイプを選択できる。
宮ノ下温泉といえば、最大の楽しみのひとつにはやはり、スパ&トリートメントで過ごすリラクゼーションだろう。
インテリアの鮮やかな差し色が印象的なスパゾーンのロビーを経て、待ちわびた温泉へ。歴史を受け継ぐ名湯の名は「三日月の湯」という。古くは湯船に映える三日月が満月になるまで浸ればどんな難病も快癒すると伝えられた、多くの効能に優れる良泉だ。大自然の中の露天風呂は、ナトリウム-塩化物温泉と単純温泉という、2つの泉質の湯がそれぞれの湯船にあふれている。
さらには専用エレベータを配したプライベートスパも完備、箱根の風景を独占し、誰にも気兼ねすることなく優雅な休息に浸るのもいい。同じスパゾーンのトリートメントサロンでは、世界のセレブリティから支持される「スイス・パーフェクション」をエイジングケアメニューに使用。
さらに「花・水・風・地」がテーマの箱根オリジナル自然美メニュー、漢方とリンパボディをミックスさせた健康美メニューも揃う。
そして、望むがままの美食との出会いも約束されよう。回廊に日本庭園の伝統的手法「水鏡」を用いた、まるで離れに居るかのような演出の日本料理レストランでいただく、相模湾の海の幸と季節の山の幸。ワインセラーでセパレートされた炭火焼と鉄板焼の独創的な空間。モダンチャイニーズ、あるいはイタリアモダンのプライベートダイニング。箱根にこそ求めるすべてのものが、完璧に存在する。
クルマに魅せられた者が抱く理想は、じつはシンプルなものだ。ハイスペックなドライビングを思いのままに、優雅なスタイリングと共に手に入れたい。経験を重ねるほどにその思いは高まる。マセラティのフラッグシップモデルであるクアトロポルテの血統が、この欲求に応える。
クアトロポルテSをベースに、随所にさらなる先進的改良とチューニングが施されたクアトロポルテ スポーツGT S。アグレッシブな顔つきと、隅々までセクシーな流線で構成されたボディライン。そして従来よりフロント10㎜、リア25㎜落とされた車高で、この日の道のりを察して鋭く身構ているようにも見える。
シリーズ最強スペックの細かい理由づけや説明など、何も要らない。さらにパワフルになった新開発V8エンジン。新デザインが美しいパドルシフトの、クイックなシフトチェンジ。路面に吸い付く安定感の中、ときに浮遊するがごとく加速する車体。「スポーツモード」に切り替えた瞬間、エンジン音はがらりと変わり、鋭いレスポンスと共にさらに咆哮を高めたエグゾーストサウンドが全身を包み込んでくる。五感全体をラグジュアリーサルーンの空間に包まれながら、同時にリアルスポーツカーのポテンシャルを征服して楽しむ。都心から箱根へ、ハイウェイもワインディングも、山間の勾配さえも変わらないドライビングプレジャーを、たっぷり堪能できる。
●マセラティ クアトロポルテ スポーツ GT S
全長×全幅×全高 5,110mm×1,895mm×1,420mm
エンジン形式 90°V型8気筒DOHC4バルブ
総排気量 4,691cc
最高出力 323kW(440ps)/7,000rpm
最大トルク 490Nm( 50.0kgm )/4,750rpm
6速AT/16,950,000円
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
TEL03-5730-1649
●エクシブ箱根離宮
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下112-2
会員権のお問い合わせ
リゾートトラスト TEL0120-26-0014
※『Nile’s NILE』2010年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています