そしてレクサスは京都のなかへとゆく

レクサスCT200hによる京都ドライブ。ホテルグランヴィア京都のコンシェルジュも推す、比叡山・延暦寺へ足を延ばす。そこを起点に、よき伝統をいまも守る古都を回った。

Photo Takahiro Igarashi(520) Text Fumio Ogawa

レクサスCT200hによる京都ドライブ。ホテルグランヴィア京都のコンシェルジュも推す、比叡山・延暦寺へ足を延ばす。そこを起点に、よき伝統をいまも守る古都を回った。

クルマと街は似合う。とくに背景としての建物群が美しい古都によく似合う。その意味でレクサスのような、たたずまいの美しいクルマは京都にしっくりくる。

もうひとつ、京都とレクサスの相性のよさがある。山の存在だ。

京都の北東には、比叡山がそびえたつ。最澄が延暦寺を開いた山として知られるが、京都への遷都以来、都の鬼門にあって京都を守る役割を担ってきたのも比叡山だ。街から20分も走れば到達してしまう距離にありながら、比叡山の総面積は1700haと広く、比叡山から街を見下ろすと、主従が逆転した気になる。
そこはまた、運転が楽しめる場所でもある。

  • 延暦寺の根本中堂あたり 延暦寺の根本中堂あたり
    延暦寺の根本中堂あたりは、時として煙雨とよばれるもやに包まれる。幻想的な風景だ。
  • フロントマスク フロントマスク
    ひと目でレクサスCT200hとわかるデザインアイデンティティを持ったフロントマスク。
    比叡山延暦寺
    滋賀県大津市坂本本町4220 
    TEL077-578-0001
    www.hieizan.or.jp
  • 延暦寺の根本中堂あたり
  • フロントマスク

1958年にはやくも比叡山ドライブウェイが開通し、延暦寺を通り、頂上まで到着する。また奥比叡ドライブウェイとつながっていて、滋賀へと降りていくこともできる。

比叡山を走ったレクサスCT200h
静謐が支配する比叡山を、レクサス初のコンパクトハイブリッド、CT200hは静かに進んでゆく。

クルマの世界では、ヒルクライムといって、山道を走り時間を競うレースがあるぐらいで、山にのぼるのは一種特別なことだ。欧州の一流スポーツカーはたいてい、この競技で名前を馳せた歴史を持つ。

修行の地であり、ゆたかな自然があり、ドライブコースでもある。比叡山とひととクルマは切っても切り離せない。

比叡山を走ったレクサスCT200hは、レクサスとしては初の5ドアハッチバック。1.8リッターガソリンエンジンと電気モーターによるハイブリッドシステムも特徴だ。

そのいっぽうで、走る楽しさを追求したことも謳われる。

「カーブを曲がるときなどのハンドリング性能を高めることに心血を注いだ」

以前、このクルマの開発担当者が誇らしげにそう語っていた。

時期にもよるが、比叡山ドライブウェイは森閑とした林間コースだ。CT200hの革巻きハンドルを握り、カーブをこなしていくと、クルマと一体感のあるドライブが楽しめる。

ハンドルは少し重めの設定で、切りこんでいくと車体がきもちよく反応して向きを変えていく。爽快だ。ドライブモードセレクトで「スポーツ」を選択すると、電気モーターの電圧が高まり、よりパワフルになる。アップとダウンに合わせて、クルマのキャラクターを操作するのも、また楽しい。

CT200hは、ドライブを楽しむことができるクルマだ、と頂上まで8.1kmの道のりで再確認できた。

ボディに新開発のパフォーマンスダンパーを採用したのも注目点。これにより不快な振動をとりさることにも成功している。軽快な走りのなかに気持ちよさをとりいれている。そこがCT200hの新しさでもある。

  • LEXUS CT200h LEXUS CT200h
    LEXUS CT200h
    全長×全幅×全高=4,320㎜ ×1,765㎜ ×1,460㎜
    ホイールベース=2,600㎜
    10・15モード燃費(国土交通省審査値) 34.0㎞ ⁄ℓ、32.0㎞ ⁄ℓ
    <version L、version C、F SPORTの場合>
    価格=3,661,714円~ 4,608,000円
    ※写真のクルマはversion L 4,608,000円、
    ボディカラーはフレアイエローマイカメタリック
  • 精進料理 精進料理
    奈良時代から仏門に帰依するひとたちが食べてきたという精進料理。比叡山の延暦寺会館でもコースで食べることができる。朱塗りの椀に入った中央の赤い食材は近江の赤こんにゃく。
  • LEXUS CT200h
  • 精進料理

比叡山延暦寺の中核ともいえる根本中堂に参拝のため、クルマを降りると、なんの波紋もおきない水面を連想した。しずかさが際立つ。

「この時期は、山は眠る、というのですよ」

案内してくれた比叡山のひとがそう説明してくれた。眠っている山を包んでいたのは、煙雨だ。
この景色が見られて幸運ですよ、と教えてもらった。もやも小雨ともつかない、空からの水がお堂の屋根や樹木にまとわりつくように頭上の空間を満たしている。

そこにあって、ハイブリッドのCT200hは、自動的にエンジンを停止して、しずかにたたずんでいる。その光景は、1200年以上の時を隔てて日本の精神が向かいあう場面を連想させた。

食べ物から織物まで息づく伝統を訪ねる

京都「緑寿庵清水」
京都「緑寿庵清水」は日本でただ一軒といわれる金平糖の専門店。店舗横の工房で金平糖を手づくりしている。
緑寿庵清水
京都市左京区吉田泉殿町38-2
TEL075-771-0755
www.konpeito.co.jp

街中に下りてきて、京都の伝統が守り続けられる場所を訪れたときも、クルマと街の雰囲気がよく合っているように思えた。

京都の道は幅員が広くなく、つまり背景の建物がぐっと押し出してくる印象が強い。だからクルマ好きの視点からすると、街に似合うクルマとそうでないクルマがあるように思える。その点でもCT200hは、溶け込みつつ消えない、というようにうまく存在感を保っていた。

西陣織の伝統を伝える「織成舘」や、日本で唯一の金平糖専門店といわれる「緑寿庵清水」は、京都のものづくりの伝統を誇りに思っている。

  • 金平糖 金平糖
    砂糖の金平糖が手作りできるようになるまで20年かかるとか。「緑寿庵清水」ではさまざまな風味の金平糖を手がけている。
  • 絹糸 絹糸
    光によって放つ色彩が変化する絹糸。この絹糸によって織り上げられた織物は、蛍光灯の下では落ち着いた色調に、白熱灯やろうそくの明かりでは、あざやかな色調へと変化する。
    織成舘(おりなすかん)
    京都市上京区浄福寺通上立売上ル大黒町693
    TEL075-431-0020 
    orinasukan.com/
  • 金平糖
  • 絹糸

細やかな作業と全体への目配り。いいものとは、おそらく微視的な視野と巨視的な視野で作られると思うのだが、時代を先まで見据えていないと、残ることはむずかしいかもしれない。

過去と未来をつなぐ視点。それがレクサスCT200hとどこかで通じ合う。

なぜかというと、精神に共通性があるからではないだろうか。

  • CT200hの上質な室内空間 CT200hの上質な室内空間
    CT200hの上質な室内空間。センターコンソールには「ドライブモードセレクト」のスイッチが備わる。エコ、ノーマル、スポーツの3つのモードが選択可能。
  • 西陣織 西陣織
    京都といえば西陣織。手織を中心とする伝統文化の振興を目的に設立された手織技術振興財団「織成舘」では、手織の技術を見せてくれる。写真は伝統工芸士の津田功さん。
  • CT200hの上質な室内空間
  • 西陣織

同じことは、延暦寺におけるCT200hの姿にも感じた。
 レクサスにコンパクトなボディとハイブリッドシステムを備えた、新しいモデルの誕生。
 話が比叡山に戻るが、そこで想像したのは、最澄が延暦寺を開いたときのことだ。おそらく、当時の境内は、最澄らが唐から持ち帰った新鮮な思想で満ちあふれていたのではないか。当時としてみれば新しい「技術」といってもいい。
 そこもレクサスに通じるものがあるような。環境に配慮しつつ、クルマ本来の味わいかたもきちんと残してくれている――。その上手な融和は、ひとつの思想だ。比叡山、そして京都、そしてレクサスは、その意味で、大きく響き合うものを感じさせてくれた。

●レクサスインフォメーションデスク 
フリーコール0800-500-5577 受付時間 9:00 ~ 18:00(365日年中無休) 

※『Nile’s NILE』2011年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。