ヨーロッパの街並みを歩いていると、まるで中世にでもタイムスリップした気になる。200 年も 300 年も前の石で造られた家々が軒を連ねるからだ。住民に不都合はないのかといえば、そこはきちんと進化している。現代的な家電に囲まれた生活は、まさに過去と現在のハイブリッド生活と言えそうだ。
長い歴史の中で、世界トップのスポーツカーメーカーとして業界を牽引し続けるポルシェもまた、常にとどまることなく、進化を重ねている。911 シリーズを中心に、ブランドアイデンティティーを継承しながらも、革新的なコンセプトを提唱してきた。
そんなポルシェが、2009 年、4 ドア 4 シーターとなる「パナメーラ」を発表し、センセーションを巻き起こした。高いドライバビリティーを誇り、4ドアサルーンというスタイリングにもレーシーな魂がしっかり備わったモデルとして人気を博し、先日クラス初のプラグインハイブリッドモデルである「パナメーラS E–ハイブリッド」をリリース。外部電源で充電したエネルギーで走る、他にはないプラグインハイブリッドだ。
振り返れば、100 年以上も前となる 1900 年。世界初のハイブリッドカーを開発したのがポルシェだということは、意外と知られていない。これこそ、まさに現代に通じる先進性を兼ね備えた彼らの逸話と言えるだろう。
パナメーラS E–ハイブリッドは、最小のエネルギーで最大のパフォーマンスを発揮する EV モードを搭載。最長 36㎞ の航続距離を誇る走りを実現し、次世代へ向かう。国土交通省の調査によると、日本人の過半数がクルマで一日に走る距離は平均で 20㎞/台。つまり、ほぼエンジンを始動せずに、快適なドライビングを楽しめる。EVモードにおける時速 135㎞ の最高速度も圧巻だ。
さらに高速道路の合流や中間加速では、ポルシェのV6 エンジンがパフォーマンスを発揮。3リッターV6 エンジンのモーター合計出力は 416 馬力。ゼロから時速 100 ㎞に 5.5 秒で到達するデータは、さすがとしか言いようがない。
ポルシェならではの走りのパフォーマンスをさらに向上しながら、時代を反映するプラグインハイブリッドカーとして進化したパナメーラ S E–ハイブリッド。近未来、ガレージでは充電用のケーブルがクルマとつながっているのが常識となるかもしれない。
そんなパナメーラだが、ニーズに合わせて幅広いモデルをラインアップ。先の東京モーターショーで世界初公開された「パナメーラ ターボ S エグゼクティブ」は、まさにそれだ。シリーズで最もパワフルな 570 馬力を発揮しながら、ホイールベースを 15㎝ 延長し、リアシートの居住性を高めた。エグゼクティブのための、究極のパナメーラの登場と言える。常に新たな可能性を追求するポルシェが、次に何を具現化してくるのかが楽しみでならない。
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※『Nile’s NILE』2014年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています