美しきものを見る ベントレーで行く京都

秋の京都には、そこかしこに美しいものがある。京都にしかない日本古来の美しきものの間を英国の文化が薫るベントレーで巡るのは、なんとも贅沢なことだ。平安時代には貴族たちの別荘地であった嵐山・嵯峨野へ、古から変わらぬ秋の情緒を感じにベントレーで旅に出た。

Photo Satoru Seki Text Tatsuya Kushima

秋の京都には、そこかしこに美しいものがある。京都にしかない日本古来の美しきものの間を英国の文化が薫るベントレーで巡るのは、なんとも贅沢なことだ。平安時代には貴族たちの別荘地であった嵐山・嵯峨野へ、古から変わらぬ秋の情緒を感じにベントレーで旅に出た。

渡月橋と朝焼けとベントレー
嵐山の渡月橋。平安時代から、四季折々に風情ある景色を楽しめる風光明媚な名勝として愛されてきた。渡月橋と朝焼けとベントレーと、実に趣がある光景だ。

ヨーロッパでは大切なゲストの宿泊に、たびたびシャトーへ案内することがある。400年、500年続く情緒深い石の建造物は特別な場所。アメリカ資本のラグジュアリーホテルもいいが、それとは一線を画す。それもそのはず、そもそも“城”なのだから、位の上の者しか足を踏み入れることはできなかった。つまりは、セレブの集うべきところ。それに自分たちの歴史を知ってもらうのにも効果的と言える。

これを日本に置き換えると、やはり京都というワードが浮かんでくる。古都であるここには大切なゲストに泊まっていただきたい、連綿と時を重ねた老舗旅館はもちろん、目にしてもらいたい景色は数多い。特に海外からのゲストには、日本の古き良き文化を知ってもらうには、絶好のシチュエーションと言えるだろう。では、そんな町を訪れるのには、どんな移動手段が好ましいか。

ベントレーと竹の小径
まっすぐに伸びた竹林が続く風情のある小径。森閑とした雰囲気が悠久の時を感じさせる。ベントレーで竹の小径をゆったりと走ると、心までも癒やされそうだ。

写真をご覧いただきたい。ベントレーである。このクルマはフライングスパーと呼ばれる4ドアセダンタイプで、高速での長距離移動を得意とする。エンジンは6リッターW12気筒+ツインターボで最高出力はなんと625㎰を発揮する。0-100㎞/h加速はわずか4.6秒、最高速度は320㎞/hというモンスターマシンである。スペック表を目で追えば、イタリアのエキゾチックカーに代表されるスーパーカーに属す。まさか四つのドアがあるとは思えないほどの数値が並ぶ。

ベントレーと鮎茶屋
愛宕街道の古道、愛宕神社の一の鳥居に近い「平野屋」は400年もの歴史を持つ鮎茶屋だ。ベントレーと縁が深い白洲次郎氏の妻で食通として知られる正子さんが足繁く通った店。

よって東京から京都のロングドライブも快適そのもの。余裕のエンジンパワーとベントレーならではの乗り味が疲れの知らないツーリングを約束してくれる。そんな走りなのだから、大阪や神戸から京都あたりはなんの問題もない。あまりの快適さに、もっと走っていたくなるような気分にさせてくれる。

走りだけではない。フライングスパーのインテリアは、まさに快適なラグジュアリースペース。素材のクオリティーが高いのは当然のこと、クラシカルなアイコンを現代的なモダンテイストに仕上げている。ミッドセンチュリーを思い起こさせる丸型メーターや、エアベントのメッキ加工したレバーは情緒的だ。なめしの利いたレザーと木目模様までこだわったウッドパネルと合わせ、上質な空間を演出する。それはまるできっちり手を入れたシャトーのゲストルームのようでもある。これは匠たくみのワザとも言えるだろう。英国伝統のクラフツマンシップがここにある。

また、ビスポークが楽しめるのもベントレーの魅力の一つ。もしウッドパネルを古めかしいと思えば、そこをカーボンに替えることだってたやすい。スーツを仕立てるように自分のテイストで、インテリアをコーディネートするのも悪くない。

といった内容のベントレー•フライングスパーW12。英国のシャトーでもよく見かける一台だが、京都の町にもよく似合う。伝統を重んじるベントレーならではだろうか、国が替わっても、古都に通じるものを持ち合わせているのだろう……。

フライングスパー W12
ボディー:全長5315╳全幅1985╳全高1490㎜
エンジン:6.0ℓ W12ツインターボチャージド
最高出力:460kW(625㎰)/6000rpm
最大トルク:800Nm(81.6kg-m)/2000rpm
駆動方式:AWD
トランスミッション:8速AT
価格:24,150,000円

●ベントレー コール TEL0120-97-7797

※『Nile’s NILE』2015年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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