長引くコロナ禍によって、広く普及したものといえばテレワークだろう。進化し続けるネットワーク環境を活用すれば、人の多い場所を避けて自宅でも仕事はできる。ならば、自宅でなく、都市から離れ自然に囲まれた地であってもテレワークであれば同じこと。それがワーケーションの広がりにもつながったといえるだろう。ワークとバケーションを一つに、という発想だ。
鳥取県のほぼ中央に位置し、日本海を望む湯梨浜町は、独自の「みずうみワーケーション」を提唱している。「みずうみ」とは、この町のシンボルともいえる東郷湖だ。朝日に光り、夕日に映え、月を浮かべる、きれいな水景色。日本海とつながる汽水湖ならではの生き物たちも元気。湖畔に趣のある宿が集まり、拠点となる。およそ12kmの湖周の道は、ウォーキングやランニングには絶好だ。さらに、山里が楽しめ、浜辺で遊べる。何よりの人気は、全国でもめずらしい湖底から湧き出る温泉だ。
ひと言でワーケーションといっても、さまざまなスタイルがあるだろう。2022年に実施された三つの例を挙げてみよう。