首都圏から電車で約1時間の鎌倉は日本有数の観光地である。神社仏閣など歴史的建造物が集中して回りやすいこと、そぞろ歩きの観光客でひしめき合う小町通りも18時には多くの店がクローズすることから、観光客のほとんどは日帰りだ。しかし、思ったことはないだろうか、もっと長く滞在していたいと。古都らしい落ち着きを取り戻した小町通りで、路地裏にともるレストランの看板を探したり。
由比ヶ浜まで足を延ばして、夜の海を心ゆくまで眺めたり。宿泊しなければわからない魅力、そして昼間では見ることのできない表情が鎌倉には数多くある。
JR鎌倉駅東口から徒歩2分。4月24日にグランドオープンする「ホテルメトロポリタン 鎌倉」は、鎌倉観光を大きく変える存在になりそうだ。鶴岡八幡宮の参道である若宮大路沿い、二の鳥居が程近くにある絶好のロケーション。春は桜、ゴールデンウィークを過ぎればツツジに彩られる参道が間近に眺められ、古都鎌倉の風情をたっぷり満喫できる。「心魅かれる新たな古都へ」をテーマに、やすらぎの空間とあたたかなサービスを提供するホテルだ。
若宮大路に面した前庭と中庭は、桜やイチョウなどの植栽が彩りを添える。路地をイメージしたエントランス、その奥に続く廊下には鎌倉らしさを感じるアートワークが。2階のロビーはナチュラルな雰囲気のインテリアに包まれ、窓の向こうには縁側のようなテラスがある。窓を開放すれば、自然の風を取り入れることができる。
中庭の緑を眺めながらくつろげる、心地いい空間になっている。
ゲストルームは138室。鶴岡八幡宮 二の鳥居が眺められるプレミアムコーナールームをはじめ、広いテラスを付帯するガーデンルーム、中庭に面した鎌倉小町ダブルなど12のタイプがある。ちょっとした小上がりを設けた部屋では靴を脱いで素足でくつろげる。シンプルでありながらどの部屋も個性的だ。
特筆すべきは、メトロポリタンホテルズとして初の試みとなる「無印良品」とのコラボレーションである。ホテル1階にレストラン「Café&MealMUJI」とショップ「MUJIcom」が入り、ホテルゲストはもちろん、観光客や地元の人が気軽に利用できる。レストランは朝食からランチ、ディナーまでオープンするいわば“オールデイダイニング”。鎌倉野菜など地元の素材を使った料理を提供し、鎌倉の新しい食空間になりそうだ。ショップでも鎌倉らしい商品もそろえる予定。その土地の豊かさを提供するメトロポリタンホテルズのコンセプトに通じるものがある。
日帰りでも楽しめるのにわざわざステイする理由はいくらでもあるが、鎌倉らしい体験なら、ぜひとも朝参りをおすすめしたい。鎌倉には早朝参拝ができる寺社が数多くあり、すがすがしい光を浴びながら、心静かに朝のひとときを過ごすことができる。古都の風景に調和する美しいホテルで上質な時間を過ごす。大人の鎌倉観光に欠かせない、“鎌倉の別邸”になりそうだ。
●ホテルメトロポリタン 鎌倉 TEL0467-60-1250
※『Nile’s NILE』2020年2月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています