源泉数、湧出(ゆうしゅつ)量ともに日本一を誇る大分県別府温泉。別府市内には別府八湯と呼ばれる八つの温泉地が点在しており、全10種類あると言われる泉質のうち、7種類を有しているため、国内外から多くの観光客が訪れる人気の温泉地となっている。
温泉としての歴史も古く、8世紀初めごろの「伊予国風土記」や奈良時代の「豊後国風土記」にも記述があり、別府温泉の存在が確認できる。明治時代に入り、別府港が完成したことで次第に人が集まるようになり、温泉都市へと発展していった。その後、戦災にあうことなく終戦を迎えた別府には、戦後進駐軍が駐留し、高度経済成長期には新婚旅行や修学旅行客などが押し寄せ最盛期を迎える。
しかし、1990年代のバブル崩壊後は、国内各地でのテーマパークの開園や海外旅行の一般化、団体旅行から個人旅行への変化等により観光客は激減していく。その後、2001年に再生を目指して地元旅館経営者の発案で始まった、温泉を巡るスタンプラリー「別府八湯温泉道」や地域資源を生かした体験イベント「オンパク」などが話題を集め徐々に回復。昨今はインバウンド需要により観光客数は増加傾向にある。欧米の訪日外国人旅行者や富裕層のさらなる取り込みを狙った、外資の高級ホテルの進出や老舗ホテルの大規模改装などが相次ぎ、昔ながらの温泉街として知られる別府のイメージは今、大きく変わりつつあるのだ。
そんな中、緑の山々を背に、雄大な別府湾を見渡せる海岸にたたずむ「潮騒の宿 晴海」が、2019年7月に新館の増設と改修を経てリブランドオープンを迎えた。
別府湾を望む源泉かけ流しの露天風呂と心のこもったサービスを提供する「アマネ リゾート セイカイ」は、別府温泉屈指の人気旅館だ。この度オープンした新館1階のフロントロビーには、水盤を望むウォーターテラスを設置。別府湾を眺めながら海に浮かんでいるような優雅なひと時を過ごせる。
客室は、プライベートプール、ジャグジー、源泉かけ流しの露天風呂を備えた150平米のジュニアスイートのほか、バリ製の家具を導入し、デイベッド付きで約60平米の広々としたツインルームや、バリアフリーの客室など全14室を新設。また、地元の旬の食材をふんだんに使ったフレンチをカジュアルに楽しめるレストラン「ビストロ ヴァンヌーヴォ」が海の棟にオープン。朝は、和洋合わせて30種類以上の厳選メニューをそろえたブッフェを提供する。
同旅館の魅力の一つでもある温泉は、客室の露天風呂のほかに、館内に二つの大浴場を用意。海に近い1階の大浴場は、露天風呂の湯船に肩までつかれば、まるで海の中にいるような感覚を味わえ、8階の展望浴場は、テラスから180度別府湾を見渡すことができる。
別府湾を一望できる絶好のロケーションに、源泉かけ流しの湯と大分の美食。すべてがそろうラグジュアリーな温泉リゾートで、大切な人と極上の休日を過ごしてもらいたい。
●アマネ リゾート セイカイ
TEL 0977-66-3680
※『Nile’s NILE』2019年8月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています