クロノグラフの先駆者

1887年スイスのラ・ショード・フォンで創業以来、クロノグラフの歴史をリードし、イタリアの軍関係者や時計愛好家を魅了しながら成長してきたウォッチブランド、エベラール。2021年に日本への本格上陸以降、評価が高まっている今、その歴史と魅力を検証する。

Photo Takehiro Hiramatsu(dingi)  Text Yasushi Matsuami

1887年スイスのラ・ショード・フォンで創業以来、クロノグラフの歴史をリードし、イタリアの軍関係者や時計愛好家を魅了しながら成長してきたウォッチブランド、エベラール。2021年に日本への本格上陸以降、評価が高まっている今、その歴史と魅力を検証する。

「エクストラ・フォルト・グラン・タイユ・ルー・ア・コロンヌ」&「タツィオ・ヌヴォラーリ・レジェンド・ブラウンヘルメット」
(左)12時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計を置いたヴァーティカルデザインで、センターにスパイラル状のタキメーター、9時位置にはタツィオ・ヌヴォラーリの頭文字を組み合わせたロゴを配した。「タツィオ・ヌヴォラーリ・レジェンド・ブラウンヘルメット」自動巻き、ケース径43mm、SSケース×ビンテージ調レザーストラップ、3気圧防水、972,400円。
(右)強靭でありながらスポーティーでエレガント。そんな1940年代の雰囲気をパンダ仕様の2カウンターのクラシカルな表情に落とし込んだ。ルー・ア・コロンヌとは、クロノグラフのオン/オフを制御するコラムホイールを意味するフランス語。ハイエンドクロノの証しであるコラムホイールの採用も愛好家にアピール。「エクストラ・フォルト・グラン・タイユ・ルー・ア・コロンヌ」自動巻き、ケース径41mm、SSケース×クロコダイルストラップ、5気圧防水、865,700円。

まず「クロノ421-42」。01年、時計史上初めて四つのカウンターを横一列に並べた、特許取得のクロノグラフ「クロノ4」を発表。クロノグラフのスペシャリストとしての貫禄を示した。そのデビュー20周年に当たる21年に、従来の直径40mmから42mmにスケールアップして登場。スポーティーなダイナミックさの中に上品な雰囲気も漂う。

「エクストラ・フォルト」は、1940年代デビュー当時の面影を感じさせるコレクション。“超強靭(きょうじん)”を意味するネーミングは、耐衝撃機構や、裏蓋を二重にしたケース構造などを採用し、強度を高めたことに由来する。それでいてスポーティーかつエレガントな雰囲気は、「エクストラ・フォルト・グラン・タイユ・ルー・ア・コロンヌ」にも継承されている。

「タツィオ ヌヴォラーリ・レジェンド・ブラウンヘルメット」は、伝説のドライバーを讃えるモデル。ローターにはタツィオ・ヌヴォラーリが駆ったアルファ・ロメオを刻印し、ヴィンテージ加工のレザーストラップも、モータースポーツテイストにあふれている。

生粋のスイスブランドとしてのクラシックな伝統や確かな技術力の一方、イタリアの趣味性やパッションを浸透・醸成させ、他のスイスブランドとは一線を画す存在となってきたエベラール。今、選ぶ人の審美眼をこれほど雄弁に物語るウォッチブランドはないだろう。

エベラール・ジャパン
TEL 03-5422-8087
www.eberhard.jp

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。