藍染和紙にメッセージを託して

藍染和紙を文字板に採用した「ザ・シチズン」の新作2モデルが登場した。和の匠の技と最先端テクノロジーとの融合のみならず、サステナブルなメッセージをも持ったモデルの魅力を解き明かす。

November 29, 2022 Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Yasushi Matsuami
March 17, 2023 Last modified

藍染和紙を文字板に採用した「ザ・シチズン」の新作2モデルが登場した。和の匠の技と最先端テクノロジーとの融合のみならず、サステナブルなメッセージをも持ったモデルの魅力を解き明かす。

  • ザ・シチズンAQ6110-10L ザ・シチズンAQ6110-10L
    藍染和紙ダイヤルの上板の中央部から12時側と6時側に向かって濃くなるグラデーション加工を施し、ツートーンのブルーで大空と大海原を表現。年差±1秒を誇る光発電エコ・ドライブムーブメントCal.0100に施された黒ルテニウムめっきと独自のストライプパターン仕上げをシースルーバックから観賞できる。「ザ・シチズンAQ6110-10L」ケース径37.5mm、スーパーチタニウム™ケース×ワニ革バンド(LWG認証)、5気圧防水、特定店限定、880,000円。
  • ザ・チズンAQ4091-56M ザ・チズンAQ4091-56M
    年差±5秒の光発電エコ・ドライブムーブメントCal.A060を搭載。パーペチュアルカレンダー機能付き。クローズドバック仕様とし、イーグルマークをエングレーブした。2モデルともに、「シチズンオーナーズクラブ」登録により最長10年間無償保証・無償定期点検が受けられる。「ザ・チズンAQ4091-56M」ケース径40mm、スーパーチタニウム™ケース×スーパーチタニウム™ブレスレット、10気圧防水、440,000円。
  • ザ・シチズンAQ6110-10L
  • ザ・シチズンAQ4091-56M

光発電によって駆動するシチズン独自の技術「エコ・ドライブ」。定期的な電池交換の手間から解放し、発電効率や精度などの機能価値の向上のみならず、光を透過させるさまざまな素材や意匠を試み、審美性にもこだわってきた。そうした流れを受け、2017年に初めて土佐和紙を文字板に採用したモデルを発表。光を透過させる「エコ・ドライブ」との親性と味わい深い表情とを両立させ、高い評価を得る。

以降、色彩豊かな和紙文字板や、金箔、プラチナ箔を蒔ま いた和紙文字板のモデルなどを発表し進化を重ねてきた。そして和紙文字板の登場から5年を迎えるに当たり、新たなチャレンジとして、世界で最も薄いと言われる「土佐典具帖紙(てんぐじょうし)」を天然の阿波藍で手染めした文字板の試みが進められた。

古くから日本人の生活に根付いてきた藍染は、“ジャパンブルー”と呼ばれ、海外でも親しまれている。布、衣類、革製品など、近年その魅力の幅を広げているが、文字板に採用した腕時計は、おそらく世界でも初。それだけに耐久性や仕上がりの際のムラなど、さまざまなハードルを手探りで解決する必要があった。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。