純粋なるものの美

極限までそぎ落とした純粋なるものには、力強く、揺るぎない存在感と美しさがある。ステンレススチールのエキスパートであるドイツのアイウェアブランド、ic! berlin(アイシー!ベルリン)の新コレクション『PureElements』には、ステンレスの魅力を元素レベルまで分解して生み出した、唯一無二の美が宿る。

Text Rie Nakajimaa

極限までそぎ落とした純粋なるものには、力強く、揺るぎない存在感と美しさがある。ステンレススチールのエキスパートであるドイツのアイウェアブランド、ic! berlin(アイシー!ベルリン)の新コレクション『PureElements』には、ステンレスの魅力を元素レベルまで分解して生み出した、唯一無二の美が宿る。

モリブデン
Pure Elements「モリブデン」。時計のベゼルのようなリング表面の繊細な線彫り加工と、ボリュームのあるブリッジのコントラストが魅力。

クロム、シリコン、マンガン、窒素、炭素。アイシー!ベルリンのアイウェアの主原料、ステンレス鋼の元素構成だ。この元素という究極の純粋美をデザイン言語として生み出されたのが、新しく画期的なコレクション『Pure Elements』である。

通常はプラスチックを使用するインナーリムをメタルで製作した、贅沢な重厚感が際立つデザイン。力強く、極限のシンプルさと複雑さを併せ持ったそのたたずまいに、独創的なクラフツマンシップと革新性が見て取れる。

アイシー!ベルリンは多様で創造性に富む旧東ベルリンのミッテ地区の街に1996年に生まれた、デザイナーや職人、エンジニア、思想家たちのグローバル集団だ。そして同ブランドが創業以来、積み重ねてきたのがステンレス鋼の製造に関する知識である。医療工業用の0.5㎜のシートメタルを世界で初めてメガネに取り入れ、100%ハンドメイドによってネジを一切使用しない、並外れた軽さと高い柔軟性、堅牢性を兼ね備えたフレームを創出。98年にはメガネ界のアカデミー賞と言われる「シルモドール」を受賞している。独自のヒンジによって知恵の輪のようにすべてのパーツを手で分解・組み立てできるのが特徴だ。

特徴的なスクリューレスヒンジ
特徴的なスクリューレスヒンジ。ネジを使わないためネジ緩みすることもない。

このアイシー!ベルリンならではの技術を駆使するとともに、ステンレスの魅力を最大限に引き出したのが、シートメタルとメタルリングを掛け合わせた今回の新作『Pure Elements』である。

  • Pure Elements Pure Elements
    フレーム:ブラックロゼゴールド レンズ:クイックシルバー ¥73,150
  • Pure Elements Pure Elements
    フレーム:ブラックガンメタル レンズ:ブラックミラー ¥77,000
  • Pure Elements Pure Elements
    フレーム:ラフグラファイト レンズ:ストームグレー ¥73,150
  • Pure Elements
  • Pure Elements
  • Pure Elements

コレクションを成す六つのモデルはすべてステンレスを構成する元素にちなんで命名されており、六角形の大胆なユニセックススタイルを表現した「カーボン」、なめらかな曲線のトップバーが印象的なヨーロピアンテイストのスクエアモデル「クロミウム」、アイシー!ベルリンらしいクラシックな大きめスクエアモデルの「ニトロゲン」、ブリッジが一段下がったベーシックな玉型の「シリコン」、そしてタイムレスなアビエータースタイルのサングラス「フェラム」、ボリュームのあるブリッジが特徴的な力強い男性的なサングラス「モリブデン」と、幅広いスタイルを用意。

四つのメガネフレームと二つのサングラスからなり、サングラスにはメタルカラーに合わせた異なる3色のレンズを装備。ロゼゴールド/ブラックカラーでは、メタルリングの表面に時計のベゼルのように線彫り加工が施されているのが特徴。すべてのモデルに無垢な金属の質感で仕上げた「グラファイトラフ」カラーを備えているのもこだわりの一つだ。

高級家具やオーディオのトレンドであるラフな金属仕上げを採用し、アイシー!ベルリンの特徴的なカラーコーティングであるPVDカラーを組み合わせることでメタルリングの存在感を際立たせた、現代的で洗練されたデザインが魅力だ。

そぎ落とされた、純粋なるものは美しい。アイシー!ベルリンの革新的な『Pure Elements』コレクションで、アイウェアの究極の機能美を体感したい。

●アイシー!ベルリン ジャパン TEL03-6804-2064 

※『Nile’s NILE』2022年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。