ハンバーグ 故郷の味で夏気分

リューズの飯塚隆太シェフが紹介するのは、ヘルシーで季節感にあふれたハンバーグ。椎茸をたっぷりと入れ、みょうがと青じそを利かせたソースで夏らしく仕立てた。

Photo Masahiro Goda  Text Izumi Shibata

リューズの飯塚隆太シェフが紹介するのは、ヘルシーで季節感にあふれたハンバーグ。椎茸をたっぷりと入れ、みょうがと青じそを利かせたソースで夏らしく仕立てた。

リューズ 飯塚隆太氏

干し椎茸に薄い焼き色が付いたら、椎茸の香りがフライパンから立ち上がっているはず。そうしたらみじん切りにした生椎茸をプラス。しんなりとしたら、干し椎茸のもどし汁をひたひたに加える。これを強火で汁気がなくなるまでしっかりと煮詰める。
「液体を加えて、煮詰める。一度液体に具材の風味を引き出し、再度具材に吸わせることで、旨みを凝縮させるのです。これも、フランス料理で定番の技術。もどし汁も凝縮し、格段に風味が高まります」
この後にニンニクと玉ねぎのみじん切りを加えるが、玉ねぎは食感が残る程度の火入れ加減にとどめる。

肉は、豚のバラ肉の挽き肉と、牛のランプ肉を使用。またハンバーグを焼く前、成形したハンバーグの表面をていねいになで、なめらかにするのがポイント。こうすると焼き色が美しくつくとともに、焼いているときの肉汁の流失を防ぎ、完成時の見た目の洗練度がアップする。

ちなみに、豚肉は新潟県十日町のブランド豚「妻有(つまり )ポーク」を使っている。
「妻有ポークは香り良く、口溶けも良い脂が特徴。身のきめ細かさ、味の良さも抜群です」と飯塚氏。そして生椎茸は、新潟県南魚沼市名産の「八色(やいろ)しいたけ」。肉厚と風味の豊かさで知られている。普段から地元で産する上質な素材を発掘し、その魅力を積極的に伝える飯塚氏。そんな飯塚氏らしさも垣間見ることができるハンバーグだ。

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。