日本で出合えるライト建築 ヨドコウ迎賓館
日本には、ライトの設計した名建築が当初の姿のまま残っている。これは、本国アメリカ以外では日本しかない。3つある「百年建築」のうち、今回は兵庫 芦屋の「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」をご紹介しよう。
February 18, 2023 Photo Satoru Seki Text Junko Chiba
August 22, 2023 Last modified
日本には、ライトの設計した名建築が当初の姿のまま残っている。これは、本国アメリカ以外では日本しかない。3つある「百年建築」のうち、今回は兵庫 芦屋の「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」をご紹介しよう。
建物の外観を眺めながら長いアプローチを進むと正面玄関にたどり着く。
ヨドコウ迎賓館は、ライトが酒造家、山邑太左衛門の別邸として設計した個人住宅だ。芦屋市街を一望する高台に、山肌に沿うように階段状に建てられ、その景観と一体化した姿が美しい。
屋上のバルコニーからは、六甲の山並み、芦屋市街、大阪湾までを見渡すことができる。
幾何学的な彫刻を施した大谷石の柱や壁、複雑な木組みの装飾など、和風の要素を取り入れたところに、ライトらしさがうかがわれる。
2階にある応接室。装飾を施された大谷石の暖炉や柱が印象的な空間となっている。ライトはヨドコウ迎賓館の着工を見ずに帰国したため、実際の建築は、弟子の遠藤新、南信が手掛けた。
今回紹介した自由学園明日館、ヨドコウ迎賓館のほかに非公開ながらもう一つ、旧林愛作邸が残る。
一度、“ライト建築”をめぐってみてはいかがだろう。大正ロマンの風に吹かれながら過ごす文化的なひとときは、なかなか気持ちいいものだ。
●ヨドコウ迎賓館 (旧山邑家住宅)
兵庫県芦屋市山手町3-10
TEL 0797-38-1720
www.yodoko-geihinkan.jp