カルティエの歴史に思いをはせる

かつてパリで行われた万国博覧会のために建てられたグランパレ。この一室であり、昨年改装したことでより詩的な美しさが増した壮麗な空間、サロン・ドヌールを舞台に来る「カルティエ、スタイルと歴史」展が開催された。

Text Nile’s NILE

かつてパリで行われた万国博覧会のために建てられたグランパレ。この一室であり、昨年改装したことでより詩的な美しさが増した壮麗な空間、サロン・ドヌールを舞台に来る「カルティエ、スタイルと歴史」展が開催された。

ティアラ
メゾンの栄誉を物語る数々のティアラは、当時の職人たちの手技と注文主の思いが反映された注目すべき作品。N. Welsh, Collection Cartier © Cartier

この名門ジュエラーの複雑で豊かな歴史は、その名高さとダイヤモンドのきらめきに隠れているのか、実はあまり知られていない。しかしながら、カルティエは装飾美術の歴史において非常に重要な役割を果たしてきた。「王の宝石商」としてのクラシックな作品から幾何学的なデザインとエキゾチックの狭間にある、モダンスタイルの作品に至るまで、カルティエのクリエーションは人々の好みや社会規範の変遷を色濃く反映してきたのだ。

時計
メゾンのアイデンティティーにとって重要であるウオッチにおいては、15点というかつてない数のミステリークロックが展示。洗練と巧緻の極みと言える作品たちだ。 N. Herrmann, Collection Cartier © Cartier

本展では、カルティエのクリエーションを用途とスタイルの変遷に従って展示。カルティエ史上、最も重要な展覧会になるとあって、ジュエリーやオブジェ、ウオッチ、置時計など約600点もの作品が集結した。展示される主なものは「カルティエ コレクション」だが、その他に美術館などの公共機関やメゾンの歴史を象徴する人物たちのプライベートコレクションから貸与された約50の作品も加わった。特にグレース后妃の洗練された趣味をしのぶことができるモナコ皇室コレクションの格調高い約20点の作品に期待が高まった。

160年以上の歴史の中で、いかにカルティエが様々な造形を作り上げてきたのか、そしてその中で追求してきた本質的な美、さらにはジュエリーやアクセサリーが果たしてきた社会的な役割を知ることができる貴重な展覧会となった。この展覧会のためにパリへ飛んでも惜しくはないだろう。

●グランパレ サロン・ドヌール
www.grandpalais.fr

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。